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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 市場参入(1) (国際経営、国際物流/星野裕志)

市場参入(1)

星野裕志 国際経営、国際物流

12/06/14


前回は日本国内だけで事業を展開していた企業が様々なリスクがありながらも何故海外に進出していくのかというお話をしました。

それは国内に成長が見込めない、国内にライバルが多く競合他社との関係で他に市場を求めないといけないなどのマイナス要因だけでなく、海外に出て製品を提供する事で全体の数が増えると、規模の経済性(スケールメリット)が働き、製品開発あるいは生産コストが下がり価格競争力を持つなどのプラス要因もあるからです。ただし、海外に参入するのは簡単ではありません。

勿論敢えて出て行くのはそれだけの利点を求めているわけですが、新しく参入する市場には、すでに活動している企業があります。今度はそれらの先行する企業と競合していくことになります。日本の企業が海外に出て行くときの障壁というとなかなか分かり辛いと思うので、例として海外の企業が日本の市場に入って来た時にどういう障壁に当たるかという事例で説明したいと思います。

昨日新宮町のIKEAに行きました。そこで見てきた事を含めて海外の企業が入ってくるという話しをすると解りやすいと思います。例えば全く新しいコンセプトを持って海外から参入する例があります。これが受け入れられるかどうかは、大きな障壁です。IKEAのような組み立て家具を持って入ってくる場合もそうですし、もっと古典的な所では1970年代初頭マクドナルドが、ハンバーガー中心にファーストフードを日本に持ち込みました。そういう新しいコンセプトは日本に定着するのかという問題があります。

日本という市場に競合他社が活動している中で、遭遇する様々な障壁があります。例えばIKEAの場合、今回の参入は二度目なのです。1974年に参入して一度失敗して撤退しています。何故前回失敗したのかは、組み立て家具というコンセプトです。つまり購入した家具を自分で持ち帰り自宅で組み立て直すということですが、これは大変なことです。実はIKEAにも電動ドライバーを売っていましたが、それは普通のドライバーで組み立てていては切りがないからです。それまで日本では家具は、多くは百貨店などで購入し、それを自宅まで配送して
必要な組み立てをして設置までしてくれました。梱包材は、もちろん持ち帰ってもらえます。それが配送も組み立ても全て自分で行うというコンセプトが、十分に通用するのかということがあります。

海外から新しい市場に参入する場合、その国の消費者の嗜好、消費性向、文化などを十分理解した上で、展開するベく、勿論詳細なマーケティングリサーチを行いますが、それだけでは
確認できない事もあります。例えば、スーパーが参入して販売するとなると、生鮮品から商品までをその国でも調達をしなければなりませんが、既存の企業によってその調達チャンネル
が既に抑えられていて、なかなか新規に参入することができません。

かつて、カルフールというフランスの世界最大級のスーパーが日本に入って来て、その点で失敗しました。ウォルマートは、まさに世界最大の流通企業ですが、やはり日本に来て苦戦
しています。世界的に成功している企業でも、新しい市場に参入する事は非常に難しいのです。多国籍企業に展開の実績を持つ企業が日本で苦労しているのですから、日本の企業が海外に打って出るのは、それ以上に大変だという事です。知名度も信用力も全然無い、そこでどれだけ通用するのかは難しいです。

新規参入には他にも色々な障壁があるのですが、IKEAは現在首都圏近郊に3店、近畿圏に2店、そして福岡に参入しました。テーマパークと同じで大都市近郊に位置していないと、このモデルは上手く行かないと思います。つまり都市居住者が安く良い物を買いたいから、その代わり自分で組み立ても厭わないというコンセプトが定着できる都市や地域は、日本でまだまだ多くは無いのではないかと思います。リピーターが支えるという点も、テーマパークと同様です。

そこで、今日のキーワードですが、「参入障壁」です。その国にある独特の様々な障害が、新しく参入しようとする企業にとって、どういう影響をもたらすかという参入障壁かと思います。


分野: 国際経営 |スピーカー: 星野裕志

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