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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 動機づけのメカニズム(3) (社会心理、組織心理 /藤村まこと)

動機づけのメカニズム(3)

藤村まこと 社会心理、組織心理

12/06/11


今日のテーマは,外発的動機づけと内発的動機づけについてです。

人が行動や活動を続けるとき,その行為の先に見返りや報酬が存在しますが,その先にあるものが自分の外側にある場合,例えば,モノやお金,褒め言葉などによって生じる動機づけは,外発的動機づけと言われます。つまり,物質的,金銭的,言語的な報酬によって動機づけが高まる状況ですね。また,罰を与えることも負の報酬として動機づけに影響を及ぼします。叱られたくないからやっておこう,という状況はよくありますね。私たちの生活では,これらの外発的な動機づけはよく経験されていると思いますが,こうした外発的動機づけは,どちらかといえば「やらされている」という感覚を生じさせるのではないでしょうか。

一方,人は,その行為そのものが好きだから,達成感を感じるからといって,その行為を行うことがあります。報酬はその人の内側から,達成感や満足感として生じてくることになりますので,このようにして生じた動機づけは,内発的動機づけと呼ばれています。満足感や達成感などに動機づけられて行動をしている場合は「やらされている」というよりも,自分から進んで行っているという感覚を生じさせます。

スポーツや楽器,勉強や仕事など,はじめは外発的に動機づけられて始めた活動も,後にその活動そのものが好きになり,内発的な動機づけにかわっていくことがあります。外発的に動機づけられている場合,報酬や罰がなくなれば,その人は活動を繰り返すことなく,やめてしまうかもしれません。
しかし,内発に動機づけられる場合,その人は自発的に活動を続けていくことになります。家庭や学校,そして職場でも,どうやって内発的動機づけを高めるかは重要な課題であることが分かります。

ここでは,アンダーマイニング効果を示した実験を紹介します。この実験では,子供達を2つのグループに分け,パズルをしてもらいます。片方のグループにはパズルを行った後にご褒美をあげ,もう片方にはご褒美をあげませんでした。それを繰返し,最後に実験者がおよそ8分間席を外します。といっても,席を外したあとは,別の部屋からその子達が一体何をしているのか,パズルをその後も行うのかを観察する実験です。子どもたちの周りにはパズル以外の遊び道具や本もあり自由に使うことができます。実験者がいないときも,パズルを続けるのは,報酬を得た子どもでしょうか。それとも得ていない子どもでしょうか。観察の結果,報酬を得た子ども達はパズルではなく別のもので遊び,報酬を得ていない貰ってない子達はそのパズルを解き続けることが分かりました。この結果から,報酬を得た子どもたちは,報酬のためにパズルを行っていたため,外発的動機づけが高まりましたが,一方でパスルそのものが好きだという内発的動機づけが低下したと考えられます。一方,報酬をもらわずパズルをやっていた子ども達は,パズル二対する内発的動機づけが低下することがなかったので,実験者がいない間もパズルを解き続けたと考えられます。

この実験は,外発的動機づけの使用は,内発的動機づけを低める危険性を示しています。アメやムチのような外発的動機づけは,短期的には人の行動量やパフォーマンスに影響を与えるかもしれません。しかし,最終的には個人の「やらされている」という感覚が強まり,その活動に対する興味関心が薄れ,内発的動機づけが低下してしまう可能性があります。外発的動機づけが悪い,と一概に言えるわけではありませんが,その使い方には気を付ける必要があります。

分野: 心理 |スピーカー: 藤村まこと

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