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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 自動車業界 (企業財務 M&A/村藤功)

自動車業界

村藤功 企業財務 M&A

12/06/07

自動車業界では、さまざまな流れの潮目が変わってきています。
東大のものづくり研究所では、日本のすり合わせ生産方式を守ることができるのか、それともこれからモジュール生産に移行するのかといった議論が起きていて、大騒ぎとなっています。

モジュール生産とは、車をいくつかのモジュールに分けて、それぞれのモジュールごとにオープンイノベーションの対象として研究開発を進め、各モジュールを組み合わせて車を作るという方式です。
本来車は何万もの部品から成り立っていますが、それを六つか七つの集まりに分けるわけです。
以前から造船業や住宅建築ではこのモジュール生産が行われることになり、その結果ラディカルにコストが落ちるというメットがみられました。

モジュール生産に移行した場合の大きな変化は、これまでのように自動車の組み立て会社がバリューチェーンのすべてをコントロールするのではなく、それぞれのモジュールに強いところが優勢になるという点です。
日本の自動車産業がこれまで強かったのは、皆お互いのことをわかった上ですり合わせて生産をおこなってきたからです。
現在では、フォルクスワーゲンやボッシュなどのヨーロッパ系がモジュール生産への移行を仕掛けてきていますので、トヨタもそれに対応しようとプラットフォームの統合を計画しています。
トヨタは、ニュー・グローバル・アーキテクチャーという言葉を掲げて、三種類のプラットフォームを作り、それにすべてをグローバルで合わせるということをやっています。
このように、自動車産業の生産方式が変わってきているのです。

また、コネクション革命も起こっています。家と車のコネクションです。
家の電源から車が充電するだけではなく、車に逐電された電気を家の電気に回したり、家の家電や玄関の鍵を車の中からコントロールしたりするということもできるようになってきました。
車は今、凄い勢いで情報化、電子制御化されつつあります。
これまでは自動車業界と家電業界はそれぞれ独立していましたが、もはやその境もあいまいになっています。

さらに、我々九州人には望ましい事態なのですが、自動車の生産の半分が九州で行われるようになってきました。
昨年の東日本大震災の後、部品の調達が滞り、車を生産できなくなると、部品をアジアから買うという話が起こりました。
最初から九州で生産することにしておけば、九州から中国や韓国は近いわけですから、必要に応じて部品のアジアからの調達も容易に行えるわけです。

また世界における自動車会社のランキングも大きく変動しています。
少し前まではトヨタが一番でしたが、今はGMです。アメリカ市場が復活し、中国でもそれなりに売り上げを伸ばしたため、トップに返り咲きました。そして二番目はフォルクスワーゲンです。
三番目は、ルノー・日産コンビで、先日、アフトワーズというロシア市場で3割のシェアを持っている会社を購入したばかりです。
そして四番目に、ようやくトヨタが来ることになります。

このような事態の最中、最初にも述べました通り、東大のものづくり研究所では、すり合わせとモジュール、どちらの生産方式がよいのか、さまざまな議論が行われているところです。
しかし、モジュールやオープンイノベーションに向かう潮流は既に見えてきています。
もはやどちらがいいという話ではなく、モジュールやオープンイノベーションの時代に移行することを前提としてどうやって勝ち残るかという議論が必要だと私は思います。

今日のキーワードは、モジュール生産です。
日本のすり合わせものづくりは守られるのかについて、イエローランプが点灯中です。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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