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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 「産学」+「官」=産学官連携(その2) (産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ/高田 仁)

「産学」+「官」=産学官連携(その2)

高田 仁 産学連携マネジメント、技術移転、技術経営(MOT)、アントレプレナーシップ

12/05/04

・前回、福岡県や九州大学が国と連携して進めている「水素社会」を実現するプロジェクトについて
触れました。今回はその続きで、プロジェクトにおける官の役割について踏み込んで話をしましょう。

・水素は、(あまり例えは良くないが、)福島第一原発で水素爆発を起こしたことで、改めて世に
知られることとなりました。水素は魅力的なエネルギー源ですが、濃度によっては爆発的なエネルギーを
持ち得るので安全に使えるようにすることが重要になります。そこで、水素利用に関して官がある種の
「規制」を設けざるを得ません。(逆に、使い方さえ間違えなければ怖がる必要はありません)

・水素のもう一つの特徴は、金属材料の中に入り込んで材料を脆くしてしまうことです。従って、
ボンベや配管など水素が直接触れる金属部分には特殊な加工が必要となりますが、そのような部材に
ついては、業界全体で標準化し性能保証しなければなりません。こういった標準化は、個別の企業に
任せていても利害が輻輳してなかなかまとまらないので、その推進は官の重要な役割となります。

・さらに、水素社会実現に必要な要素技術の研究は、まだまだ基礎研究としてしっかりと行う必要が
あるものも少なくありません。そこで、国がそれなりの大型研究予算を措置する必要が出てきます。
数年前、民主党が政権をとった際の「事業仕分け」で重要な基礎研究が仕分けで予算が大幅減額
されたりして話題となりましたが、そもそも基礎レベルにある研究の評価は非常に難しいのです。
企業だけに任せていては長期的な観点で研究を継続できませんし、基礎研究で国が大きな方向性
(ロードマップ)を打ち出し、個別の研究者の力を結集することが必要な場面も少なくないのです。
そのため、基礎研究に対するファンド提供を行う国の存在は欠かせません。

・加えて、水素エネルギーという、ある地域でまとまったインフラとして整備する必要性がある
システムの場合、どこかの自治体が率先して実験的な地域インフラ作りを後押ししたり、そのために
住民と様々な事柄について協議したりする必要が出て来きます。これも、企業や大学だけでは担い
きれない、重要な官の役割です。

・以上話したように、水素社会のような、「新しい社会」を構築しようとすると、基礎研究、実用化、
社会の新しいルール作り、人材育成、といった多岐にわたる課題を解決しながら前に進むことが必要で、
そのために、「産学」だけではなく、「官」が重要な役割を果たします。
・そして、新しい研究開発や社会作りでは、その取りまとめ役である官がビジョンを持ち、それを産学と
共有しながら前に進めることが極めて重要です。

今日のキーワード:産学官連携で重要なのはビジョンの共有

分野: 産学連携 |スピーカー: 高田 仁

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