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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > マーケティングコミュニケーションと言葉② (マーケティング/出頭則行)

マーケティングコミュニケーションと言葉②

出頭則行 マーケティング

12/05/23

前回は、言葉には感性に訴える言葉と理性に訴える言葉、耳言葉と目言葉があって、マーケティングではこの両方を様々なメディアをミックスさせて活用しているという話をしました。
感性の言葉とは耳から入る言葉のことで、主にAVメディアで用います。
理性の言葉とは目から入る言葉で、新聞や雑誌などのプリントメディアで用います。
世界的趨勢としては、AVメディアがプリントメディアに対して優勢になりつつあります。

前回にもお話ししましたとおり、感性の言葉とは昔から使われている言葉のことです。
それは母語、mother tongueと言われているものです
お母さんが子供に話しかける言葉のことです。
一緒にお月様を見ながら、「今日は月光が美的ですね」とは決していいません。
「お月様きれいね」というように、昔ながらの言葉を用いて話しかけるわけです。
これは世界中一緒でして、ビートルズのイエスタデイは、Yesterday all the troubles seem so far awayで始まりますが、使われている全ての単語はむかしながらのアングロサクソン語、日本で言うと大和言葉です。
日本の歌謡曲、特に演歌の世界でも同様に、昔から使われている言葉が多く使われます。
ナイキのjust do itもヒットキャンペーンでしたが、昔ながらの言葉を使っています。
国鉄の大ヒットキャンペーンであった、山口百恵のいい日旅立ち、これは全国キャンペーンの先駆けといわれるものですが、これも昔ながらの大和言葉を使っているわけです。

広告大国の順位を述べますと、一番がアメリカ、二番が日本、三番がドイツ、四番が中国、五番が英国となっています。
これらはいずれも、母国語がしっかりしている国です。
米国は多民族国家ではありますが、コマーシャルメディアの大勢は英語ですし、日本は日本語、ドイツはドイツ語、中国は中国語、英国は英語と、母国語がしっかりと根を下ろしています。
よい広告作品が誕生するための土壌として、これはとても大切なことです。
ですから、小さいうちから外国語を覚えさせるということには一考を要します。
子供が母国語をしっかりと身に付けないうちに外国語を覚えさせることに実際意味があるかどうか、真剣に考え直した方がいいと思います。
母国語が根付くというのは文化が根付くことですので、母国語を押しのけるような形で第二言語を覚えさせることには若干の問題がある気がします。

世界で一番有力な広告祭であるカンヌ広告祭にて、昨年九州の九州新幹線全線開通の広告が金賞に選ばれました。
駅でみんなが手を振っているシーンが印象的なCMです。
あそこでは、「あの日、手を振ってくれてありがとう。笑ってくれてありがとう。
ひとつになってくれてありがとう。ひとつになり新しい力が生まれています。
ひとつになった九州から日本は楽しくなるはずです。九州新幹線全線開通です。」
というコピーが使われました。

ここでは、(九州、日本、新幹線全線開通以外は)輸入された漢語をひとつも使うことなく、昔ながらの大和言葉でメッセージを伝えているわけです。
そういう意味では、日本語は非常に豊かな言語です。
我々は、万葉集のような一千年以上前に書かれた書物を現在の文法をもって理解することができますが、他言語ではそういうことはほとんどありません。
我々は、大変幸せな国に生きています。しかし昨今、横文字が氾濫し、かつてない危機が日本語に訪れています。
広告でも横文字が氾濫している中で、今後どうやって感性に訴える表現をしていくのか、広告表現にとってもとてもチャレンジングな時代になってしまっています。
かつてはアメリカの映画のタイトルを日本語へ置き換えることをしていましたが、最近では英語のままのタイトルで上映していて、これは映画業界の怠慢ではないかとも思うわけです。

今回のキーワードは、広告と母語です。

分野: マーケティング |スピーカー: 出頭則行

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