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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 知識・自覚・信念 (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

知識・自覚・信念

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

12/05/15

コーポレートガバナンス(企業統治)には、前回お話しましたように、一元主義モデルや多元主義モデルがありますが、結局のところコーポレート・ガバナンスを有効に機能させるためには、経営者等の経営哲学に行き着きます。哲学のことを英語でフィロソフィーといいますが、これは古典ギリシャ語でいうフィロすなわち愛と、ソフィアすなわち知恵を合わせたものです。要するに、知恵を愛するという意味です。このことから分かるように、哲学とは、感情ではなくて理性の力によって、多様な問題についてその根本原理を考える学問です。そして、経営哲学は、自分自身の経験などから得られた基本的な考え方、人生観を、経営に活かしていくということです。

経営には二つの側面があります。一つが健全性、もう一つが効率性です。健全性すなわちコンプライアンス(法令順守)を西洋的に考えると、これは通常法律に従って行うべき最低限のことという、ネガティブに捉えられ得るものです。しかし東洋的に考えれば、例えば、孔子の儒教における徳、五常の概念と関連して考えられます。ここで「五常」とは、仁、義、礼、智、信のことです。すなわち、仁は思いやり、義は正義を実行すること、礼は礼儀を尽くすこと、智は智慧、信は信頼関係をそれぞれ指します。この考え方が経営の基本にあれば、健全性(コンプライアンス)の実行も極めてポジティブに行うことができます。また、もしこれを本当に経営で全ての人が実行すれば、企業不祥事もなくなるはずです。

しかし、残念なことに最近では、西洋の科学文明等だけを重視し、東洋思想・東洋哲学を学ばない人が多くなってきたために、東洋的な徳を欠いた、単に株主等のために利益を追求しようとする企業が増えてきています。勿論、経営者をはじめ多くの人は、悪いことはいけないという単なる知識は誰でも持っていますが、それだけでは企業統治には役立ちません。単なる知識をいくら持っていようとも、それは役立たないのです。その悪いことはいけないというすなわち知識を単なる知識のレベルに止めずに、その知識を心の底から自覚し、さらにその自覚を思考と行動のレベルまで信念化(習慣化)することが企業統治を有効に機能させるためには必要なのです。すなわち正しい知識を身に付け、正しいものは何かを直感的に自覚(判断)し、信念(習慣化)のレベルに引き上げなければ健全性を保つことはできません。正しい知識を直感的に自覚する認識力を身に付け、本心良心に従って悪いことは絶対に行わないという信念(習慣)(「知識→自覚→信念」)を持って経営を行えば、企業不祥事はなくなり、また長期的に繁栄する企業経営というものができると考えられます。


分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

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