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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 一元主義か二元主義か (日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学/岩崎勇)

一元主義か二元主義か

岩崎勇 日本の会計、国際会計、税務会計、監査論、コーポレート・ガバナンス、西洋・東洋思想と倫理、経営哲学

12/05/14

コーポレートガバナンスとは、コーポレートが会社、ガバナンスが統治を意味することから分かりますように、企業や経営者を、株主の側や外部利害関係者の側からどのように統治していくのか(企業統治)を論じるものです。実は、一般に企業は株主のものと見られますが、日本の会社法では、企業は株主のものであるということは規定されていません。しかし、会社の組織形態のうち、最高意志決定機関は株主総会となっていて、株主はこれに参加する出資者としての資格を有していますので、株主は重要な利害関係者の1人であるということは確かです。そこで、企業統治を考える場合に、企業は誰のものかを問うよりも、企業は誰の為のものかという観点から考えた方が分かり易いでしょう。

そこで、企業の利害関係者に着目してみましょう。これを狭く考えると、欧米流の会社は株主のものだという一元論(一元主義モデル)がでてきます。しかし、広く考えれば、日本でよくいわれるように、従業員が重要だとか、顧客が重要だといった具合の多元論(多元主義モデル)がでてくるわけです。一方、ドイツでは、労使という二元主義(二元主義モデル)となっておりまして、出資者と従業員のものということが共同決定法で規定されています。日本では法律で特に定められているわけではありませんが、顧客や従業員、株主、銀行等の融資先、仕入先、売上先などの種々の利害関係者を長期的視点から重視してきました。

また、ガバナンスには、コンプライアンスと効率性という二つの側面があります。日本では、どちらかとえいえばコンプライアンス、健全性が重視されていますが、欧米では、株主等の為に利益を挙げる仕組みがいかに効率的であるのかという点が重視されます。

さらに、ガバナンスの方式についていえば、日本の会社法では、アメリカ型スタイルである委員会設置会社と日本型スタイルである監査役設置会社のどちらも認められています。そして、ほとんどの日本の会社が、日本型のガバナンス・スタイルを取り入れています。

リーマンブラザーズが破綻しましたが、あれはアメリカ型のスタイルをとっていました。破綻以前には、世界でこれほどいい企業はないとの保証を得られるほどのガバナンスをしておりました。しかし、エンロンやワールドコムも同様に、結局は破綻しました。そうなると、単に器とか組織の問題ではなく、魂が問題となるように思います。経営哲学や経営思想という根本の所に問題は戻ると考えられます。

アメリカ型スタイルと日本型スタイル、どちらの仕組みでやっても結局は失敗に終わることがあります。それを防ぐためには、企業統治のための仕組み作りも大切ですが、それ以上に経営者教育や従業員教育をしなければなりません。そこでは、経営者等の経営哲学や理念、価値観、人生観等というのが問題となってきます。

先日テレビ番組で、スターバックスの特集が組まれました。その経営理念が、従業員と顧客を非常に大事にするというものでした。日本とまったく同じスタイルなのですが、それによって世界的に大成功をしているのです。シンプルに、最もベーシックなモデルを見てみると、それは日本と同じスタイルとなっておりまして、そしてその日本型の経営モデルが十分に世界的な経営に通用するわけです。最後は経営者の信念がものをいいますね。

今日のキーワードは、一元主義モデルと多元主義モデルです。要するに、株主を中心に企業統治を考えるのか、もっと広く利害関係者を中心として企業統治を考えるのかということです。
社会全体のバランスを考えた場合には、後者の広い利害関係者を中心に企業統治を考えた方が良いと考えられます。

分野: 会計 |スピーカー: 岩崎勇

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