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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ファイナンス国際金融(財務諸表) (企業財務管理、国際金融/平松拓)

ファイナンス国際金融(財務諸表)

平松拓 企業財務管理、国際金融

12/05/18


■資金がどう使われたかを説明する財務諸表
前回は財務の機能について話しましたが、具体的に資金がどうやって使われていくのか、その流れを押さえていきたいと思います。前回ファイナンシャルマネジメントの説明の中で財務の機能として、資金調達、投資の為の意思決定をするとお話しましたが、この資金調達には株式発行や銀行借り入れなどがあり、いずれにしてもお金を出す側からしてみると「お金が確実に返ってくるのか」が知りたいことで、株式の場合は更に大きく増えるかが重要だろうと思います。

そのためには、企業がそのお金を活かしてどのように事業に使ったかということを知りたくなるはずで、もし、それらが明らかでなければ「お金を出すわけにはいかない」という話になってしまいます。こういう要請に応えるために、企業は事業や財務の状況を示す書類を作成する事になっています。その中心となるのが財務諸表で、これは計算書類とも言われますが、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、などから成っています。上場企業に関してはこの財務諸表の作成が義務付けられています。


■財務会計と管理会計
財務諸表は外部の投資家や債権者、それから取引先などへの情報開示の為に作られているので、財務会計と呼ばれる一定のルール、手続きに則って作成されます。その結果、広範な利用者に参照されて、会社の過去との比較とか、あるいは他社との比較も可能なようになっているわけです。

同時に、企業の内部にいる人間にとってみても財務諸表は非常に有用な情報源なわけですが、経営者からの立場からすると外部者向けに作られた財務諸表だけで会社を経営するわけにはいかないでしょう。
例えば自動車会社の場合、全体で自動車の売上がいくらあったかとか、製造原価は全体でどれぐらいかかっているかということは財務諸表を見ればわかりますが、実際に経営をするためには、モデル毎の売上げ、あるいは同じモデルでもグレード毎の利益率や、あるいは工場毎の原価目標の達成率等まで細かく見ていかないと、企業の経営というのは出来ないわけです。

そこで、経営者等、企業内部の人の為に作成されるのが管理会計に基づくレポートで、投資家等、外部の人が他社と比較できるようにする必要がないので、作成に当たっての制約が無く、それぞれの会社のニーズに合わせて自由に作成されています。


■財務諸表の信頼性
最近、オリンパスで財務諸表に故意に間違った記載をしていたという問題がありましたが、これは一企業のみならず、証券市場の信頼性、根幹にかかる問題です。背景には大きな損失や不良債権、使途不明金をそのまま記載すると経営者の責任が問われるということもあって、虚偽の記載あるいは粉飾といわれるようなことが行われてしまいます。

こういった事を防ぐ為、上場企業の場合には何重もの制度的なチェックがあり、例えば外部の監査法人による監査を受けなければならないとか、社外取締役を最低一人は取締役会の中に含めなければいけないとか、更には財務書類には社長や財務責任者が自ら真正性、正しさを保証する為のサインをするようになっているのですが、それでも見逃され、後に発覚して刑事事件となるようなケースが後を絶ちません。
ある意味中小企業の場合はより深刻で、外部監査を受ける義務もなく、中にはそもそも財務諸表の作成についての意識があまり高くない経営者もいるので、信頼出来る財務書類が無い場合があります。その為に、銀行からの信用が得られず借り入れ、与信が受けられないなど、中小企業金融の障害ともなっているわけです。これに対し、銀行では最近、税理士が作った財務書類を提出すれば金利を優遇するといった工夫をしているようです。


■まとめ
ファイナンシャルマネジメントでは、これら財務会計、管理会計で作成された財務書類を参照しながら、企業の現状分析を行い、財務的な戦略、事業計画などの意思決定を行うことを学ぶものですが、この意思決定の結果が実際の企業の財務実績として、財務書類に反映されるという形で返ってくるという流れになっています。

今回のキーワードは、信頼を持つために大事になる「財務会計」と「管理会計」です。ありがとうございました。

分野: ファイナンシャルマネジメント 国際経営 |スピーカー: 平松拓

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