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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 景気予測を語る人々 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

景気予測を語る人々

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/04/05

はじめまして。塚崎と申します。よろしくお願いします。

銀行の調査部門などで景気の予測を主に担当していました。大学の教員になってからも、「景気の見方・読み方」というホームページを作って様々な角度から景気について書いています。

さて、景気という言葉は、毎日のように耳にします。物が売れる、会社が儲かる、失業者が少ない、という場合は「景気がよい」、物が売れない、会社が儲からない、失業者が多い、という場合は「景気が悪い」と言います。

最近の日本経済は、失業率も高く、物もあまり売れず、景気があまりよくありませんから、多くの人が「いつ頃景気はよくなるのだ」という事を知りたがっています。それに応えようと、多くの人が景気について語っています。そこで今日は、景気予測について語る人々について考えてみましょう。

まず、「経済の事を予測するのだから、経済学者が活躍しそうだ」と思う方が多いでしょうが、実はそれほどでもありません。経済学は、どうすれば経済がうまくいくか、という事までは得意なのですが、いつ頃景気がよくなるか、といった事を予測するのは得意ではありません。人々の消費が増えるかどうかは気分による所が多いので、なかなか経済学理論では予想が難しい、という事のようです。

経済学があまり役に立たないとなると、頼れるのは「永年の経験と勘」です。つまり、景気の予測は、職人芸の一つだという事になります。もちろん経済学も勉強しますし、数多くのデータを集めて分析しますが、最後には職人芸としての経験と勘が必要だ、ということです。

景気の予測が職人芸だということになると、いったい誰の話を信じればよいのかという事が問題になりますが、これはとても難しい問題です。すぐに思い当たるのは、「過去に予測が当たった人」なのですが、景気の予測は偶然当たったり外れたりする事も多いので、過去に当たった人が優れた人だとも限らないのです。たとえば石油ショックやリーマン・ショックといった予想外の大事件が起きた時には、景気は大きく変化しますので、予測が当たった人が偉いとも外れた人がダメだとも言えないでしょう。

次に思い当たるのは、「しばしばマスコミに登場している人」です。マスコミには、優れた人が選ばれて登場しているはずなので、彼等の言う事を信じればよい、というわけです。しかし、これも必ずしもうまくいきません。それは、マスコミが予想の当たる人よりも面白い話をする人を選ぶ事も多いからです。目立とうと思ってわざと大げさな話をする人が選ばれている可能性もあるので、注意が必要です。


誰の話を聞くべきか、という事を考える際に、今ひとつ大事な事は、何のために景気の話を聞くのか、という事です。景気の話を聞きたがる人は、大きく二つのグループに分けられます。第一は、純粋に景気の事が知りたい人です。来年の売り上げを予想するために景気の事を知りたい企業や自営業の人、来年度の就職戦線がどうなるかを知りたい学生、などです。
第二は、株式投資などを行なうために景気の事を知りたいという人です。

話を聞く人が二通りいるため、どちらの聞き手を意識して話をするかによって、話をする人も二通りいます。

第一は、経済成長率や失業率といった経済統計が話の中心で、景気の大きな流れを予測しようとする人々です。これに対して第二は、金利や為替や株価といった金融市場の動きが話の中心で、小さな指標やニュースが流れるたびに市場参加者がどのように反応すればよいのか、といった事に重点を置く傾向があるようです。

さて、それでは結局誰の言う事を聞けばよいのでしょうか。景気の話に馴れていない人は、内閣府や日銀、あるいは大手シンクタンクの話を聞くのが無難です。面白くはありませんが、常識的な話が聞けるからです。しばらく馴れたら、色々なエコノミストの話を聞いて、自分なりに誰を信じるか、考えるようにしたいものです。


最後に、今日のキーワードは「景気予測は職人芸」です。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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