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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ファイナンシャル・マネジメントとは (企業財務管理、国際金融/平松拓)

ファイナンシャル・マネジメントとは

平松拓 企業財務管理、国際金融

12/04/24

私は九州大学ビジネススクールで、ファイナンシャル・マネジメントの講義を担当している平松です。

ファイナンシャル・マネジメントは日本語では財務経営とか財務管理と訳されます。「ファイナンス」とか「財務」というと、資金周りの事を担う機能という漠然としたイメージを持たれる方が多いと思います。ファイナンシャル・マネジメントでいうファイナンスとは、資金の「調達」と「運用」、そして「投資者への還元」―――のための意思決定を行い、キャッシュフローの変化を通じて企業の価値を高める機能を意味します。

この場合の企業の価値とは、株主にとっての価値です。したがって価値を高めるということは、即ち株主にとっての収益率、つまり株価や配当を含めた投資のリターンを高める事です。この点を狭く捉えて、会社は株主だけのものではないのではないという批判も有り得ますが、従業員や顧客などの利害関係者、ステークホルダーにとっての価値、即ち満足度も高い会社でないと企業が長期的に利益を上げていくのが難しいことが示すように、株主にとっての価値とマルチ・ステークホルダー・アプローチが必ずしも矛盾するわけではありません。

企業価値を高める為の資金調達の意思決定とは、資金が必要な時に企業内部にある資金を用いるのか、あるいは銀行借り入れなど金融市場から調達するのか、それとも社債や増資といった形で資本市場から調達するのかといった選択を意味します。資金の運用のための意思決定とは、保有する資金、或いは調達した資金を預金や債権で運用して増やすのか、あるいは工場を増設したり、機械設備を新たに購入するのかといった資金の使い道のことです。最後の投資者への還元とは、資金の調達・運用を通じて得られた利益、又はキャッシュを企業内部に蓄積しておくのか、それとも更なる設備購入のために使うのか、はたまた配当、或いは自社株購入を通じて株主に還元するのか、という選択肢のことです。

もちろん、現在の会社は1回限りのプロジェクトで解散する訳ではありませんので、資金が枯渇して倒産しないように管理するということもその領域に入ります。つまり、ファイナンシャル・マネジメントは資金の調達、運用、還元の意思決定と管理の方法について学ぶ学問領域ということができ、その関心は主に現在と将来ということになります。これに対して、やや近い領域で経理や会計というのがありますが、経理は企業の活動の記録を担う機能であり、会計は企業活動の結果としての業績の説明、報告を行う機能を担っており、直接的な関心はむしろ過去にあるという点でファイナンスとは異なり、補完的な役割を担っています。

最後に、キャッシュフローの変化を通じて企業の価値を高めるという表現をしましたが、ファイナンシャル・マネジメントにおいては「キャッシュフロー」が基本となります。この点でも「利益」により重点をおいて考える経理や会計とは違いがありますが、この点については次回お話をします。



分野: ファイナンシャルマネジメント |スピーカー: 平松拓

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