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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > 第2回 経済政策を語る人々 (経済予測、経済事情、日本経済、経済学/塚崎公義)

第2回 経済政策を語る人々

塚崎公義 経済予測、経済事情、日本経済、経済学

12/04/10


前回は、景気予測を語る人々の事を考えましたが、今回は、経済をよくするための方策を語る人々について考えてみましょう。

日本経済は、バブルが崩壊してからの20年間、低迷し続けています。経済成長率はゼロに近く、諸外国と比べても大きく見劣りしています。こうした中で、日本経済は何故不振を続けているのか、再び元気になるためには何をしたらよいのか、という議論が活発に行なわれてきました。そうした議論をする人々は、大きく二つにわけられます。需要に注目する人と供給に注目する人です。

経済が順調に成長するためには、需要と供給がバランスよく伸びていく事が重要です。逆に言えば、日本経済が順調に成長していないという事は、どちらかに問題があるという事になります。どちらに問題があるのかがわかれば、それを直せば良い、という事になるわけです。

供給側に着目する人々は、日本の農業やサービス業が非効率である事を問題にします。農業やサービス業が、様々な規制などに守られていることもあり、非効率なまま残されている事が問題なのだというわけです。彼等は、規制緩和などにより農業やサービス業を効率化していけば、日本経済は元気になり、成長できる、と主張しています。

一方で、需要側に着目する人々は、需要が足りないから生産者が生産を増やさないのであって、需要を増やす事が経済成長には必要だと主張します。需要が増えないのに供給側を効率化しても仕方が無い、というわけです。皆さんは、どちらの考え方に賛成するでしょうか。それを知るために、一つ質問してみましょう。ある駅前商店街には、多数の零細小売り店鋪が
あるとします。これをすべて取り払って大手スーパーを一軒建てたら、日本経済はよくなると思いますか?零細商店の人がかわいそうだ、というような事は今は考えないことにして、日本経済がよくなるかどうか、だけを考えて下さい。

イエス、と答えた人は、供給側に注目しています。零細店舗よりも大手スーパーの方が効率的なので、日本経済が効率化して発展する、というわけです。一方、ノー、と答えた人は、需要側に注目しています。取り払われた零細商店の人々は、収入が無くなるので消費をしなくなる。すると日本経済全体として物が売れなくなり、日本企業が物を作らなくなる。だから日本経済は一層縮小し、状況は悪化する、と考えるわけです。

両者の考え方の違いは、失業者をどう考えるか、にあります。供給側に注目する人は、失業者は安い給料でも働こうとするから、いつかは就職口が見つかるはずだ。したがって、失業問題は時間が経てば解決するはずだ、と考えます。そうであれば、供給側が効率化する事が非常に重要だということになります。

一方で、需要側に着目する人は、非効率であっても零細商店が雇用の場を与えてくれている事が日本経済にとってプラスだという事になるのです。最近では、小泉内閣の構造改革を巡る議論が重要です。構造改革は、供給側を効率化しようというものでしたから、供給側を重視する人々が賛成したのに対し、需要側を重視する人々は構造改革によって失業者が増えて景気が悪くなる、として反対したわけです。

私は、景気の予測に永年従事して来たことから、需要が増えれば供給は増え、需要が減れば供給は減ると考えています。従って、需要側を重視しています。では、なぜ日本経済は長期間にわたって需要不足が続いているのでしょうか。それは、日本人が勤勉に働いて倹約に努めているからです。一人一人にとってみると、勤勉と倹約は良いことなのですが、全員が勤勉に働くと大量の物が作り出される一方で、全員が倹約すると誰も物を買わないので物が売れ残ることになります。全員が正しい事をしているのに全員が悪い結果に悩んでいるという事なのです。こうした状況を難しい言葉ですが「合成の誤謬」と呼びます。

最後に、今日のキーワードは「景気は需要」です。

分野: 経済予測 |スピーカー: 塚崎公義

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