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QT PROモーニングビジネススクール > ブログ&ポッドキャスト一覧 > ユーロ危機 (企業財務 M&A/村藤功)

ユーロ危機

村藤功 企業財務 M&A

12/04/30

現在ヨーロッパでは、ユーロ危機が起こっています。特にギリシャが、国債の返済をできずに、債務不履行になることが懸念されています。モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスなどのアメリカの大手金融機関は、ギリシャが債務不履行に陥った場合に代わりに支払うという信用保証、すなわちCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を、ヨーロッパの投資家に対して多くしていました。すなわちギリシャが債務不履行になった場合には、多くのヨーロッパの投資家だけでなく、アメリカの大手金融機関も被害を被りうるわけです。

このような事態に陥った背景には、通貨をユーロに統合はしたものの、財政政策を統合しなかったことがあげられます。各国が勝手に国債を発行し、また公共投資や社会福祉政策を行っています。各々のやり方が異なる上に、国によっては大きな政府を作っている状態です。

ドイツとギリシャは、蟻とキリギリスだと言われます。ドイツでは皆真面目に働いていますが、ギリシャではお金を山のように借りて、皆幸せそうに遊んで暮らしているのです。ギリシャは、EUやドイツから国家公務員の削減や賃金カット、最低賃金引き下げなどを求められていますが、それに反対していて、決着がつかないかにみえました。もしこのまま決着がつかないとなると、ギリシャがユーロから出て行かざるを得なくなる可能性があり、他国も続いてユーロの統合自体に問題が起きる可能性が指摘されていました。

結局、ギリシャを救済することになりました。ギリシャの国債の金利が、40%から38%であったものが、20%から18%あたりに落ちはしましたが、それでも相当に高い状態です。財政政策を統合していないという問題に対しては、先日、2013年の発行をめざす欧州安定メカニズム設立条約(ESM)にイギリスチェコを除く25か国が調印しました。ESM発効にいたるまでのつなぎとして、格付けの高い国が、その信用をもって、お金が必要な国にお金を貸すという、EFSF(欧州安定化基金)というものも作られています。

また、ECB(ヨーロピアン・セントラル・バンク)が、ギリシャやスペイン、イタリア、ポルトガルの国債を購入し、また100兆円ほどお金を供給しました。銀行に、低金利でお金を貸しつけたわけです。銀行は、このお金の一部を国債の購入に使い、これで銀行が潰れない状態になりました。そして現在は、ユーロ危機もとりあえずは落ち着いた状態になっています。

そもそも政府がサービスを行うには、現在の人達からの税金や社会福祉費用を用いるか、あるいは、将来の人達のお金を用いるかしなければなりません。日本も、80兆円のうち40兆円は赤字国債ですが、これは、現在行政サービスを受けない人達が将来返す必要があります。お年寄りが得をして子供達が損をするという、世代間の不公平が生じています。ギリシャも同様の酷い状態で、大きな政府を小さくする必要があります。しかし公務員までもがストライキを起こし、地下鉄やバス、鉄道、船舶、官庁、病院、学校など、すべてが止まってしまい、なかなか先へ進めません。五月の総選挙で、EUの言う事に反対する議員ばかりが当選する可能性がありますが、そうすると事態は悪化します。皆それを不安視しているため、ギリシャ国債の金利はいまだ20%近辺で高い状態のままです。

今日のキーワードは「ギリシャ危機、蟻とキリギリス」です。キリギリスさんは果たして大丈夫なのでしょうか。

分野: 財務戦略 |スピーカー: 村藤功

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