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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 大阪都構想(財務戦略/村藤功)

大阪都構想(財務戦略/村藤功)

12/03/27


昨年の11月末に、大阪府知事と大阪市長のダブル選挙がありました。大阪維新の会の橋下氏が現職の平松市長に大勝し、新たに大阪市長となりました。大阪府と大阪市では、二重行政となっておりまして、無駄なことがたくさんあります。したがいましてこれを解体して、大阪を府ではなく都にしてしまおうという構想が、盛り上がってきております。

大阪市は、多くの問題を抱えています。たとえば、生活保護受給者の割合が全自治体の中で一番大きい、失業率や犯罪発生率が高い、自治体が行っている地下鉄やバスでのゴミ処理に従事する人数が他の指定都市に比べて際立って多い、市域全体の25%が市有地である、といった具合です。橋下新市長は、地下鉄とバスの民営化や、不要なゴミ処理場の廃棄、有効利用を目指しています。特に森之宮工場は、市の中心部のまずまずの場所にあるようです。また柴島(くにじま)浄水場も、大阪駅と新大阪駅の間にある広大な土地ですから、これを売り払えば一千億円くらいの余剰資金を捻出できるようです。実は、橋下氏が大阪市長になった背景には、彼が大阪府知事であった頃にこれらを行おうとしたところ、大阪市が対抗勢力として邪魔をしたということがありました。また今度は、大阪維新の会の松井氏が大阪府知事になりました。こうして橋下氏は、新知事と共に、大阪府と大阪市の両方を抑えたことになりますから、本当に大阪都ができるのではないのかという状況になってきたわけです。

実際に大阪都をつくるとなると、いろいろな法改正が必要です。現在のところ、民主党が大阪都構想の実現を可能にするような、地方自治法改正案を国会に提出しようという形になってきています。もしその改正案が通過すれば、その後は各地方自治体で議会の決議や住民投票を行うことになります。そして総務省が認可をすれば、大阪都に移行し、東京都のように特別区を設置することになるでしょう。

公明党は、大阪から四人の議員を衆議院に出していますので、大阪で維新の会と揉めることはしたがりません。自民党と民主党は、当初は維新の会と仲良くしようとしていましたが、橋下氏が中央進出を匂わすことを言い出したため、警戒をはじめました。また橋下氏は、国政選挙に向けた「船中八策」を発表しました。もともと船中八策は、幕末に坂本龍馬が起草した新国家体制の基本方針です。ここでは、大阪の話だけではなく国の話をしているため、騒ぎがさらに大きくなりました。大阪維新の会は、維新政治塾を立ち上げました。三千人が応募し、一次選考で二千人が合格しました。これから船中八策について議論した上で、六月頃に二次選考を行うと言います。その結果、大阪維新の会から何十人か中央政界に議員として出て行くかもしれず、自民党や民主党は警戒を強めつつあります。

道州制については、政権が自民党から民主党に代わったところで一回話がとまってしまいました。広域連合というものもありますが、これは地方自治法の中で既に定めがあるもので、道州制を導入せずに、今の県を守るという構想で、県が連合するという考え方です。九州では、九州広域行政機構が話されていますが、これは現存する県を前提にした考え方ですので、道州制とはまったく異なります。そういう意味では、これらは既に存在している県を守るために、道州制を導入させないようにしようという動きの中で出てきたものです。九州広域行政機構の場合では、国の出先機関をすべてまるごとそこに持ってきて、しかし県知事の管理下に置くということをしようとしています。今のところ、九州の知事会が話しているだけで、国が認めたものではありませんので、今後どうなるのかわかりません。本当は県を残すのではなく、九州すべてでひとつの行政を行うという方法が効率的です。県を残したままそのうえにまたひとつこしらえるとなると、屋上屋を架すことになって、効率的ではありません。九州はひとつになって、自民党時代にやろうとしていた道州制のようなものをきちんと導入すべきでしょう。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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