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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 地域の自立発展(最終回)(経営学/久原正治)

地域の自立発展(最終回)(経営学/久原正治)

12/03/21

今日は久留米の商店街に育つ若者ネットワークというお話です。

久留米は商店街が福岡県でもおそらく最も寂れているところの一つですが、そこを
中心に地域をどう再生するかを3年間番組でもずっと考えてきたので、今日はその
総括です。久留米の六つ門商店街で実際の地域再生活動に参加していますが、
そこで若者のネットワークは非常に貴重な資源として育って、それが将来の希望を
生んでいる例を紹介します。

久留米の市民大学六つ門大学は、昔から久留米の中心だった六つ門商店街をどう
再生するかというのがその出発点でしたが、やっているうちに学生がシニア中心
になり、シニアの時間つぶしのようになったので、もっと若者を商店街にいれて
再活性化するために、商店街の空きビルを活用したルームシェアプロジェクトが
生まれました。

東京大学建築科の学生達が3年くらい前に久留米の商店街を再生するために来ま
した。彼らは久留米は非常に面白い町で、食事もおいしく自然もあって、東京より
もはるかにいい所だと考えました。彼らはその後東京で就職しプラサスという
NPOの団体をつくり、本業の合間に久留米を訪れて商店街の空きビルを借り、
地元の学生がシェアハウスを作るのを手伝いました。

それでシェアハウスが1年前に六つ門商店街に1つ誕生し、この3月に1周年で
彼らが久留米にやって来ました。そこで地元商店街の会長は、彼らもてなすために
伝統的なお茶会を開いたところ、彼らはこんなにゆっくりした時間を過ごせるのは
地域の素晴らしいところで、東京では出来ないと言っていました。

東京には地域から出てきた若者が色々な分野で専門家として活躍していますが、
知識やノウハウを活かせるのは地域ではないかと、東京に住んでいても、地域で
活動したいという団体がプラサス以外にも出てきているそうです。

今の若者は、東京で就職して最後に退職金をもらって東京に家を持つということ
ではなく、若い頃に東京へ行かないと専門的な知識やネットワークは得られない
けれども、自分が育った地域に本来自分がやるべきことがあるのではないかと
考える人がすごく増えているようです。商店街にできたシェアハウスは、そういう
東京の若者と地域の若者を結ぶネットワークのブリッジみたいなものになっています。

翌日「久留米の若者に雇用を」のテーマで討論会をやりました。大学生も来たの
ですが、高校生が実に立派な質問や発言をしていました。久留米には付設高校など
の名門高校がありますが、地元出身の子はその高校に行ったら東大に行き、就職
して東京に残ることになるのだろうけど、自分は地元が好きだからどうすればいいか
と、高校1年生が発言しました。久留米大学の学生が大勢来ていたのですが、東京で
知識を得た人と地元の大学生が組むことで面白いことが出来、しかもそれをやること
により若者が成長するという意見も出て、高校生達ががこの討論会に参加して良かった
という感じでした。

高校生から地域で人を育て、いったん地域を出ていろんなことを学んで、40歳
ぐらいになってまた地域に戻ってくる、あるいは先ほど紹介したプラサスのように、
地域と東京を行き来して地域の人と一緒に一緒にネットワークを作ることが大事に
なります。

そのためには、地元が異質のものを受け入れる、久留米から出て世界をまわって
多くの知識を得た人と、一緒に勉強しようということがまず必要です。一方東京は
かなり住みにくいしリスクも大きいので、地方での若者は将来地域に戻って住む
ことになるでしょう。両方が相まって、若い人によって地域が再生されていくと
思います。ところが、これは我々団塊の世代の悪い特徴ですが、久留米にいる
シニアの人たちは自分のことしか考えていません。彼らが若い人を育てようと
いう気持ちになって自分が持っている知識やお金を若い人に投資することが
地域再生の重要なポイントです。

我々はシニア世代は、若者の教育を大事にして色々な経験で彼らを手助けする
という観点で、異質の人の間にブリッジをかけることを助け、人材のネットワーク
をつくっていくことが重要でしょう。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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