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オプション取引(その2) (ファイナンシャルマネジメント/平松拓)

12/03/20

今回は、オプション取引についての説明の続きと、オプション取引利用の際の注意事項です。

前回、オプション取引とは外貨や原油などの資産の売買について、それを行う権利を買ったり、売ったりする取引であることを説明しました。その際、オプション取引には原資産を買う権利であるコール・オプションの取引と、売る権利であるプット・オプションの取引があることを述べました。例えば、1ドル83円で3ヶ月後に「ドル」を購入する権利はコール・オプションであり、逆に売却する権利がプット・オプションです。

オプション取引がやっかいなのは、当たり前のことではあるのですが、「コール・オプション」、「プット・オプション」ともに、その取引に当たって権利の「買い手」と「売り手」が存在することです。即ち1ドル83円でドルを買う権利である「コール・オプション」の取引は、この権利の「買い手」と「売り手」が揃って初めて成立し、同様に1ドル83円で売る権利である「プット・オプション」の取引にも、同様に権利の「買い手」と「売り手」が存在する訳です。そして、オプションの買い手にはオプション料の支払いが、そしてオプションの売り手にはオプション料の受け取りが発生します。

例ではオプション取引の対象となる資産の取引のタイミングを3ヶ月後、取引価格を83円としてきましたが、これ等はオプション取引で売買する権利を行使するタイミングであり、また、行使する価格でもあった訳です。しかし、オプション取引ではこのような権利行使のタイミングばかりでなく、行使価格も比較的フレキシブルに決めることができます。
その点、為替の先渡し契約などでは、契約締結時の市場価格などによって自ずと先渡しの相場が決まってしまうのと異なります。但し、フレキシブルに設定できる行使価格ですが、その行使価格をオプションの購入者にとって有利に設定すればするほど、支払わなければならないオプション料は増えることになります。

例えば、3ヶ月後に1ドル83円でドルを買う権利(つまり行使価格83円のコール・オプション)を購入するために支払うオプション料よりも、行使価格を75円のコール・オプションを購入するためのオプション料の方が相当程度高くなります。従って、オプションを用いた取引の採算を考える場合には、このオプション料も勘案してやることが必要です。

これまで説明してきたオプション取引ですが、金融機関や大手商社、或いは輸出入企業などに属する所謂プロフェッショナルにより活発に利用されています。そういうとあまり身近に感じられないかもしれませんが、実は最近では個人や中小企業向けの金融商品にも広く組み込まれています。例えば、株価連動型預金というのがあります。これは日経平均などの株価指数が上昇したり下落したりすると利息が増える仕組みの商品ですが、普通の預金に株価指数取引のコール・オプションやプット・オプションの購入が組み込まれているものです。
また、借入でも金利キャップ付ローンというのがあります。これは変動金利の借入がベースとなっていて、通常ですと市場金利が上昇すると借入金利がそれに応じて上昇するのですが、この商品の場合は市場金利が一定以上上昇しても借入金利には上限が設定されていて、それ以上の支払いを免れるものです。これには金利オプションの購入が組み込まれています。これ等はいずれも個人向けにも販売されている商品ですが、購入者がオプション料を支払ってオプションを購入している商品です。

逆にオプションの売却が織り込まれている商品もあります。受け取るオプション料を利用して預金の金利を高く見せたり、逆に借入金利を低く見せたりしているものです。この場合注意しなければならないのは、大きなリスクを負う形となっていて、為替市場や金利市場などの動きによっては相手にオプションを行使され大きな損害を被る場合があり得ることです。3ヶ月後に1ドル83円でドルを買う権利(即ちコールオプション)を思い出して下さい。もし、3ヶ月後に1ドル100円になっていたら、オプション購入者は大儲けですが、オプションの売り手はこの取引をヘッジしていなければ、市場から1ドル100円でドルを購入して83円で売り渡す義務がある訳です。
現在の低金利の中で、預金利息を失う位なら諦めはつくかもしれませんが、預金元本が為替リスクで大きく目減りしたり、借入金利の支払いが大幅に増加するリスクもあり得ます。オプションの組み込まれた商品、特にオプションの売りが組み込まれた商品には慎重に対応すべきでしょう。

以上、オプション取引についての基本的な話をしてきましたが、最後にもう一つ付け加えておきます。オプション取引には、締結後、一定期間の間であればいつでも権利行使ができるアメリカンと呼ばれるタイプと、特定の一時点に限り権利行使が出来るヨーロピアンと言われるタイプの2種類があります。この2つのタイプの間にはその効果やオプション料に大きな違いがあります。そのことも覚えておいてください。

分野: 平松拓教授 |スピーカー:

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