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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 北朝鮮問題(財務戦略/村藤功)

北朝鮮問題(財務戦略/村藤功)

12/03/16

北朝鮮の体制がキム・ジョンウンに代わり、ちょっと落ち着いて来ました。アメリカと北朝鮮もそれなりに合意したようです。北朝鮮はウラン濃縮や核実験をやめ、弾道ミサイルの発射を中断するというようなことを言っておりますし、アメリカは食料援助をしようという動きになっています。今後どの程度進むかわかりませんが、日本が抱える拉致の問題などについても、話し合う余地はでてきました。

金正恩は、その名前が当初は漢字のみで書かれていましたが、その後読み方がわかって最近ではふりがなもふられるようになりました。写真やテレビを見ますと、小太りで、髪の毛を少し刈り上げていて、人民服を着ています。海外では、キム・ジョンイルの長男であるキム・ジョンナムが文句を言っているようです。キム・イルソンからキム・ジョンイルへの権力の承継は、20年くらいかけてゆっくりと行われました。しかし今回の権力移行は、後継者が発表されたのが2010年くらいの話ですから、1年と少ししか経っておりません。キム・ジョンイルが突然亡くなってしまったため、実際はキム・ジョンウンより強い権力をもった人物がいるのではないか、どこかでクーデターが起こるのではないかと言われ、韓国では厳戒態勢に入りました。

北朝鮮では、朝鮮労働党による一党独裁制が敷かれています。政治局常務委員会に権力が集中しており、また中央委員会には約120人が在籍しています。日本の国会にあたる立法機関は、最高人民会議です。内閣もないわけではありませんが、一番力をもっているのは人民軍です。軍が核爆弾を数発もっているとも言われ、大騒ぎとなっています。したがってトップは、人民軍の最高司令官にまず就任する必要があります。キム・ジョンウンは既に人民軍の最高司令官になりましたので、次は朝鮮労働党の総書記にならなければなりません。

北朝鮮は貧しく、飢え死にしている人が結構出ています。先進国も人道上何とか彼らを助けたいのですが、今行動をおこしてもメリットが少ないため、政権が安定するのかどうか眺めているところです。

中国やロシアとの関係は、前体制の頃からあまり変わりありません。中国としては、できれば北朝鮮にも中国のような改革開放をやってほしいと話しているようです。北朝鮮が崩壊すると、アジア全体が不安定化してくるためです。朝鮮半島の南北の境界線、すなわちアメリカを中心とする国連軍と中国が決めた38度線のことですが、これが北上すると、北朝鮮からの難民が山のように中国に入ってくることになりますので、中国としては困ります。また、朝鮮半島全体が韓国によって統一されれば、朝鮮半島がアメリカの支配下に入り、喉元に剣を突きつけられた形になるので、中国としては絶対に避けたいところです。したがって、北朝鮮を安定させることが第一ですから、とりあえずキム・ジョンウンをサポートしているのが現状です。

アメリカが嫌だという点では、中国とロシアは同じですが、ロシアの場合、北朝鮮や韓国と一緒に、朝鮮半島のガスパイプラインの建設を検討してきました。ロシアの天然ガスや石油を朝鮮半島に持ってきて利益を得ようとしておりますので、これがご破算になってしまうと困る、というのがロシアの立場です。

韓国のイ・ミョンバク政権は、北朝鮮の新体制に対して強く牽制しておりますが、イ・ミョンバク大統領の任期はあと一年ほどしかありません。今年の四月には総選挙があります。ですから韓国としては、北朝鮮がおかしくなって戦争となるのは嫌ですし、朝鮮半島を統一したいというのが本当のところです。韓国には統一局という政府部門もありますし、やはり両国を統一するのが韓国民の悲願となっています。今回キム・ジョンイルが亡くなったことで、韓国の株式市場ではコスピという株価指数がどんどん下がり、韓国ウォンも対ドルで急落しました。北朝鮮の不安定化は、韓国経済にとっては大変なマイナスなのです。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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