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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 韓国の輸出入動向(国際企業戦略/永池克明)

韓国の輸出入動向(国際企業戦略/永池克明)

12/02/20


日本の2011年の貿易収支は31年ぶりの赤字で、その規模は過去2番目でした。

貿易収支は輸出入の差額です。これが大赤字でしたが、東日本大震災に加え、
超円高でした。それに、欧米、最近ではギリシャ、イタリアの財政問題で欧米
に対する輸出が減少しました。他方、原子力発電所の停止で、火力発電用の
液化天然ガス(LPG)などの輸入が大きく膨らみました。原油の価格も上がり、
それらがダブルで効き、日本は戦後貿易立国を掲げて輸出に依存してきたという
歴史をもつ国でしたが、その先行きに不透明感が増しました。31年前の1980年の
貿易赤字も第一次第二次オイルショックというエネルギー関連が理由でした。

一方韓国では、日本と対照的に輸出入が好調で、輸出入ともに5000億ドルを突破し、
貿易収支も333億ドルの黒字になりました。ラスベガスでCES(Consumer Electronics Show)
という家電の世界的見本市が開かれますが、これに関連して「飛躍する韓国、
躍動する中国、地を這う日本」という記事が掲載され、ちょっと悔しい思いを
しています。韓国の輸出が好調だったのは、欧米など先進国の景気が低迷して
輸出は鈍化したのですが、ASEANなど主要新興市場や中国向けの輸出が拡大し、
さらに日本向けの輸出が大幅に増加したことがあります。

日本向けの輸出は、震災の影響で発電機や照明機器などの機械類が一時的に不足し、
サプライチェーンが麻痺したこともあり、それを補う為に機械類、自動車部品、
スマートフォン、それからミネラルウォーターなどの救援物資の輸出が大きく
増えました。それに円高ウォン安で韓国の国際競争力が向上したこともあります。
同時に韓国の貿易に対する姿勢ですが、日本以上に国内市場が狭隘ですから、
海外に市場を求めざるを得ない宿命の国ですから、政府もこぞって輸出を強力に
後押しています。

自由貿易協定(FTA)については、韓国は既に7つの国とFTAを結んでいて、これら
7つの国に対する輸出の全貿易に占める割合は2倍に伸びました。やはりFTA締結に
よる輸出増も大きな寄与を示し、国を挙げての開国政策の成果が出たと言える
でしょう。

さらには去年アメリカとFTA発効が決まり、具体的には今年からその効果が出て、
さらに寄与することが予想されます。最近一か月の輸出はちょっと鈍化し懸念も
ありますが、これは欧米の景気が一段と低迷していることが原因の一つで、基調
としては輸出は今後も好調を持続できる感じがします。

日本も2月1日に、アメリカとTPPの政府レベルの実務レベル交渉を開始しよう
という動きが出てきました。事前協議ですが、成果を期待したいと思います。
通常はこの政府の実レベル交渉から始まり、今後、色々なレベルの交渉が行われ、
発効するまでは少なくとも半年以上の日数がかかると思われます。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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