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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 映画で学ぶ経営学(9) 戦争映画に学ぶ(経営学/久原正治)

映画で学ぶ経営学(9) 戦争映画に学ぶ(経営学/久原正治)

12/02/15

■『聯合艦隊司令長官山本五十六』―山本五十六
昨年の12月が、太平洋戦争の開戦から70年目ということもあって、『聯合艦隊司令長官山本五十六』が、1月まで上映されていました。山本五十六は最後まで日米開戦に反対しておりましたが、アメリカに二度も渡り、ハーバードにも留学していたため、アメリカと戦争しても勝てないということをよくわかっていたのです。周囲が戦争へ入っていく最中、海軍の中で、米内海軍大臣と井上次官、山本五十六の三人は、どちらかといえばドイツと同盟するのではなく、英米と親密にしてなんとか戦争を避けられないかと、ずっと考えておりました。しかし日本全体の雰囲気がドイツに靡き、開戦の運びとなります。

そこで山本五十六は、最初のうちにアメリカ軍を徹底的に叩き、その戦果をもって早く講和に持ち込もうと考えたのです。ところが戦争が始まると、負け戦が増えていく。そこでこの山本五十六が本当に戦略をもった優れた司令官であったのか、それとも愚将だったのか、映画の中で考えさせられます。

この映画を見る限り、真珠湾以降はずっと負け続きだったということで、戦略がなかったということになっています。彼は人柄として、自分が思っていることを人に上手く伝えることができず、部下に任せるという面が大きいので、軍隊全体として統一された戦略がなくなっていき、ミッドウェー海戦のようにちぐはぐな結果を生み出します。この辺り、司令官として問題があったのではないかという感じがします。

■『硫黄島からの手紙』―栗林中将
クリント・イーストウッドが、日本軍の中にも戦略をもった優れた指揮官である栗林中将がいたということで作成し、2006年に非常にヒットした作品です。日本軍は、大体の戦闘において島で戦いますが、そうすると水際で相手に玉砕されながらなんとか食い止めるという、自爆のような戦略が一般的でした。

ところが1944年に硫黄島に赴任をした栗林中将は、現場をよく見て、島全体にトンネルを張り巡らせ、そこから隙をついてアメリカ軍を叩き持久戦に持ち込むという戦略をたてました。硫黄島へは膨大なアメリカ軍の艦隊がやって来まして、当初は三、四日で負けると思われていました。しかし日本軍は三十六日間も防御を続け、しかもアメリカ軍の死傷者の数が日本軍よりも多いという結果になりました。アメリカ軍から見ると、敵ながらあっぱれであるというところです。

■山本長官と栗林中将の比較からわかること
日本の組織では、一般的には戦略がなく、トップのリーダーは部下に任せきるというところがありました。そういう中で栗林中将は例外的に、しっかりした戦略をもっていただけでなく、現場で優秀な指揮をとっておりました。

現代日本の企業においても、平均的な日本軍のような非効率な組織の動かし方,戦略のなさ、リーダーシップの不在が、いまだ一般的となっている面があります。この両方の映画を見ることで、日本の組織のどこに問題があるのかということがよくわかるでしょう。

日本軍のリーダーは、陸軍大学校や海軍兵学校で軍事のことばかりを勉強していて、世界の情勢や歴史については疎い連中でした。それに対して栗林中将は、五年間海外に駐在しており、非常に教養がある人物でした。リーダーにとっては、戦略をもって行動を起こす際に、自身の専門だけでなく、幅広い教養や感性が重要だということです。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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