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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 映画で学ぶ経営学(10) 野球映画に学ぶ(経営学/久原正治)

映画で学ぶ経営学(10) 野球映画に学ぶ(経営学/久原正治)

12/02/17

■アメリカの野球、日本の野球
野球映画は、組織を考えるのにためになり、また同じ野球でもアメリカと日本で随分異なることからわかるように、アメリカの経営と日本の経営を比較するのにも面白い題材です。

去年の11月、ニューヨークタイムズにボビー=バレンタインがボストン・レッドソックスの監督に就任するというニュースが大きく出ました。彼はロッテ・マリーンズで、多くの日本人の心をつかみました。日本へ来た当初は日本語もできませんでしたが、そもそもアメリカの有名な監督でしたから、マリーンズをチャンピオンに導き、本人は正力賞も取りました。観客動員数も四倍にもしました。

彼は、日本的なチームワークとアメリカ的な合理主義をうまくミックスした非常に優れた監督でした。その監督が、今度はアメリカに帰ってきて名門チームのボストン・レッドソックスを率いることになり、世界で一番の監督であるとして、大きなニュースとなりました。日本とアメリカの両方を経験することで、彼は最高の監督といわれるようになることができたわけです。

■アメリカ的球団経営のマネーボール
最近の野球の映画といえば、アカデミー賞の六部門にノミネートされている『マネーボール』があります。ブラッド=ピットが演ずるビリー=ビーンが、弱小球団であるオークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャーに就任します。日本でも、オーナーとゼネラルマネージャー、マネージャーがいますが、日本ではその役割は少し違います。

オーナーとは、会社の野球球団の所有車であって、投資家です。ゼネラルマネージャーは、オーナーのもとで全権を握り、資源、特に優秀な選手を雇うなど人材の配分を行い、球団経営全体を見ます。監督は、現場でチームの采配をします。そのブラッド=ピットふんするゼネラルマネージャーが、非常に優れた方法で弱小球団を強くしたというのが、この映画です。アメリカでは非常に合理的な野球の球団経営がされてありますが、日本ではどちらかというと昔ながらの親分子分的な経営が行われているということが言えます。

選手の採用については、大量のデータに基づいてなされています。セイバーメトリクスという統計学的な方法を使って、市場での報酬が割安で、なるべくホームに何度も到達した選手、つまり得点を多くあげる選手を探してきます。最初は球団内で皆から批判されますが、これらの選手達が活躍し始めて、結果的にチャンピオンになるという話です。ホームランや打率ではなく、とにかく塁に出てホームを踏むかどうかという点を重視しています。

また、ゼネラルマネージャーの補佐の役を怪優ジョナ=ヒルが演じます。彼はアメリカの超一流大学を出て、統計学を理解していますが、野球は全くわかりません。ブラッド=ピット扮するGMは彼を全面的に信頼し、彼が言うとおりに選手を雇っていきます。ある選手をクビといえば、すぐにその日からクビとなりますし、雇うことになれば、すぐに電話して、翌日には前の球団を辞めてやって来ます。このアメリカの球団における人材の流動性のすごさについても、映画の中でぜひ見ていただきたいところです。

映画を見ていても、チームワークというものはあまりでてきません。このことからアメリカの野球は、チームワークのゲームではどうもなさそうであるということがわかります。

■人々に夢をもたらす野球映画
もう一本、野球の映画というと、『フィールド オブ ドリームス』が有名です。キンセラという作家の小説『シューレス=ジョー』に基づいて、ケビン=コスナーが作ったものです。第62回のアカデミー賞にノミネートされました。私はアメリカに駐在している頃に、舞台となったアイオワの田舎の球場へ車を運転して見に行きました。

この主人公シカゴ・ホワイトソックスの名選手シューレス=ジョーは、結局八百長でクビになってしまいます。映画ではこのシカゴ・ホワイトソックスの有名だった選手達が幽霊となって出てきて、このアイオワの田舎の球場で野球をしてくれるという話で、野球ファンには耐えられないほどいい映画です。

経営の視点から見ると、球団はこういう夢をもって経営していかなければいけないと思います。この映画を見ていると、日本もアメリカも、そこは違わないという感じがします。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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