QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

TPP(財務戦略/村藤功)

12/01/20

今回は、TPP、環太平洋連携協定についてです。

野田総理は、去年の11月に参加に向けた協議に入ると言いました。個人的な意見では、貿易の自由化をした方がいいと考えます。世界中で一番効率的なところで作って売れば、価格も下がります。日本の農業に対する不安もありますが、関税がなくなると我々は海外の農産物を安く買うことができるようになります。私も自分に近い人たちを守りたいと考えに反対ではありませんが、最も安く作れる人が作り、それを最も安く買えればよいという自由貿易の考え方とのバランスを取らなければなりません。またたとえ高くとも、良いものであれば、関税を取っ払ってもお客さんは購入します。国内の農業を保護するために2, 30%の関税をかけるという話であればまだ理解はできますが、現状のように700%という関税をかけているようでは、制度の方にそもそも問題があるように思います。保護をしすぎて皆が幸せになったのであればともかく、若者は農業を嫌がり、農業従事者は高齢者ばかりとなってしまいました。そもそも自由競争でやっていけるように日本の農業を改革するということは、TPPがあってもなくてもやらなければいけないことでした。いい機会ですので、これを機に農業改革をやればいいのではないでしょうか。

TPPに関する議論では、自由貿易の話だけでなく、アメリカ対中国の戦いに日本が巻き込まれ、アメリカの言いなりになるのではないかという話もでています。しかし事の本質は自由貿易をどうするかという点ですので、そちらを軸に考えざるを得ないと思います。

農業以外にも、例えば医師会は、混合医療についてアメリカで文句を言われるのではないかと言っています。しかしこれはTPPがおかしいという話ではなく、混合医療を認めない医師会や厚生労働省に問題があります。医師会の意見には賛成できません。

もうひとつは郵政ですが、日本は財政投融資という他国にはない変わった仕組みを持っています。その資金の入り口の一つが簡易保険ですが、簡易保険の競争力の問題も、アメリカからあれこれ言われるまでもなく、日本化が解決しなければならない問題のひとつです。これもまたTPPとは本来別の話です。

本質は自由貿易論の話です。自由貿易論では、TPPというたくさんの国で行うものと、FTAという二国間で行うもの、日中韓FTAという三カ国で行うものなど、いろいろあります。基本的に関税をかけて自分の国だけ守ろうとする保護貿易は、世界の経済が収縮していく仕組みであり、これを行ってしまった結果、第二次世界大戦に突入したと言われるぐらいです。そういう意味では、全世界で貿易を自由にすることは、間違いなくやるべきことだと思います。

TPPをすることによるデメリット、といいますか、導入することで今まであった問題が見えてきます。そういう意味では、農業問題や混合医療問題、財政投融資の問題は、TPPに関わらず存在する問題ですから、それがTPPをきっかけとして解決を迫られるというだけです。TPPそのものはまさにやるべき問題であり、元々はWTOという世界の自由貿易の仕組みで行おうとしましたが、全員の合意にいたりませんでした。合意できるひとたちだけでやりましょうという仕組みの最極端が二国間で行うFTAで、太平洋周辺だけでやりましょうというのがTPPです。


現在丁度、アメリカやシンガポールなどと事前協議を始めたところです。アメリカの場合、交渉を始める90日前に議会に通告しなければいけないという規制がありますので、一番いろいろなことを言ってきそうだという話になっております。アメリカの議会は、昔から日本のマーケットは閉じていると言っており、確かにそういう部分もあります。しかし自動車については、日本の市場が閉じているというわけではなく、アメリカ製品の競争力の問題ではないかという疑いがあります。

現在交渉中の九カ国の同意を全部得ないと交渉が始まりませんので、春か夏くらい、少しずれこんで夏くらいになると思いますが、そのくらいにTPPの交渉に参加し、日本は日本の意見を主張してTPPに合意するという方向に向かうべきだと思います。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ