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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > オリンパス(財務戦略/村藤功)

オリンパス(財務戦略/村藤功)

12/01/23

オリンパスでは、過去の企業買収で支払った多額の報酬のことや、買収資金が証券投資の損失を解消するために使われていたということが判明して、副社長解任となりました。高山社長がこの春に辞める予定ですが、彼は11月初めの第三者委員会の報告が出るまで、何も悪いことはしていないと話していました。ところがこの報告で、過去の企業買収で支払った金額が何百億円と非常に多く、その分を損失解消のために使っていたことが発覚しました。

ひとつは「飛ばし」と呼ばれるもので、かつて山一証券が損失飛ばしがばれて破綻したということがありました。今回は、ケイマンの投資ファンドのニュービジョンベンチャーズにオリンパスが300億円出資して債券を引き受けたり、銀行預金をおいてその銀行が預金を担保に別の外国銀行のファンドに融資することで、お金をファンドにくっつけて薄価で自分の含み損付きの投資を飛ばしていました。こうした飛ばしによる財テク運用の失敗のほとんどは90年代の話ですが、今回の飛ばしは2000年に起こったことです。これは、山田監査役と森副社長から相談された大手証券会社出身の三人による入れ知恵のようです。本当は価値が無いものを価値があるように見せかけてバランスシートを外に置いておくというもので、監査法人には見逃されていました。会社ぐるみではなく、会社内の数人がすべてを隠してしまうと、監査法人も把握できない可能性がありますので監査法人は知らなかった可能性もあります。

当初は不正がわからなかったので、第三者委員会を設置しました。すると不正が出てきたので、経営改革委員会や取締役責任調査委員会、監査役責任調査委員会を設置しました。そして取締役責任調査役委員会の報告書によって、取締役の注意義務違反で数百億の損失がオリンパスに出たことがわかりました。オリンパスが損害賠償を取締役たちに請求しようにも、この不正に19人が数百億円を支払うことは難しいため、19人で30数億円ほど東京地裁に請求することになりました。

今回の事件にはおかしな点がたくさんあります。ジャイラスというイギリスの医療企業を買収した際にアドバイザーに対して2億4000万ドルを支払ったというのですが、元社長のマイケル=ウッドフォード氏も言うように、海外に限らず日本のM&AでもM&Aのアドバイスにこんなに多額を支払うことはありえません。またあるいは、外国の銀行に預金をおいた際に、預金手数料の他に何億円か渡していたという話もあります。全て明るみに出た時点でもらってはいけないものをもらった人は全員手が後ろに回ることになると思います。

他の日本企業でも、飛ばしをやっていましたし、まだばれていない飛ばしがある可能性もあります。しかし、M&Aのアドバイザーに手数料を何百億円も支払ったようにみせてそれを補填に使うなどは、あり得ない話です。一体誰がこんな馬鹿なことを考えたのか、不思議です。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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