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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 市場としての中国とアジアに強い人材(中国ビジネス/国吉澄夫)

市場としての中国とアジアに強い人材(中国ビジネス/国吉澄夫)

12/01/17

今日のお話は、市場としての中国とアジアに強い人材を育てることです。

日本の経済は、昨年東日本大震災、タイの大洪水、それに円高のトリプルパンチを
受けて大変厳しい1年でしたが、企業のアジアに対する進出は逆に加速しています。
昨年1月から10月の対中投資の数字が中国側から発表されましたが、対前年同比で
プラスの65.5%という数字が出ています。これは一昨年、2010年の実績を超えて、
ピークだった2005年に迫るものがあります。背景には、従来通りサービス産業が
対中進出するなど増加していることもありますが、進出した企業が資金需要を増大
させていることに関連して、投資性公司、統括会社を次々に設立していく動きが
あるようです。もう1つは、大震災の影響ですが、生産拠点を複数化していく、
あるいは円高対応なども背景として考えられると思います。

こういう話を聞くと、必ず出てくるのが日本国内の経済空洞化という議論です。
空洞化すると雇用が減少します。かつて急速に円高が進んだ1985年頃、プラザ合意で
円高が固定し、日本企業が円高の円圏離脱して、タイなど東南アジア中心に生産
拠点を移しました。当時もやはり空洞化議論がありました。仮にそれを止めていたら
今の日本の製造業は競争力が衰えて二重、三重になっていたかもしれません。
あの時、東南アジアに生産拠点を移したからこそ今があるのです。逆に集中と選択で
成熟した部門を東南アジアに移し、国内ではより一層のハイテク基幹製品、もの
づくりの主力にシフトしていった流れがあります。そういう意味で、80年代後半の
円圏離脱して、海外の最適地で生産するのは避けられない現実だったと同時に、
日本の製造業はそれをバネにして産業構造の転換を図ったといえるでしょう。

ところが、今は85年とは状況が違う中での海外進出です。その後、アジアの
マーケットが益々広くなり、中国への生産拠点の移管が極限まで進んでいきます。
そして自社工場のみならず、いわゆるEMS、受託生産を行う工場に生産委託を
していく中で、「メイド・イン・チャイナ」が日本の製造業で一般的になり、製造業
の基盤を支えています。グローバルなサプライチェーンマネジメントを抜きにして、
国際分業あるいは日本の製造業は語れない状況になっています。従って、空洞化の
議論も同じ議論ではありません。

昔流の持ち帰りの議論では、現地で作って日本に持って帰るという、マーケットが
固定している考え方ではなく、新しいマーケットがアジアを中心にどんどん増えて
いるという考え方の中に、プラスアルファの新しいビジネスを作っていきます。
同時に今度は日本の産業がそういうイノベーションを中心としたサービス産業に
雇用の構造が変わっていかなくてはなりませんが、その辺をどうシフトしていくか
が課題になるでしょう。

そういうふうにシフトしていくためには、アジアに強い人材を育てる必要があります。
昔と同じように製造業、第二次産業がいつまでも多いという状況ではなく、第三次
産業にシフトしなければなりません。アジアに強い人たちが、日本からアジアを
支える体制を作っていかなくてはなりません。新しい事業を興してビジネスの
チャンス、あるいは雇用の質を変化させることが必要でしょう。

具体的には、新しいマーケットが海外にでき、市場が大きく拡大し、富裕層が大きく
伸び、そういう人たちの訪日観光が今急速に増えています。若干問題があり、期待
したほど増えないところもありますが、これは確実に増えていきます。それを
しっかり受け止める体制を作る、それから今まであまり輸出の対象になって
いなかった農産品ももっと売れる体制も必要です。一方通行ではない双方向の
ビジネスを期待したいということです。それが結果として、人材の需要を好循環
にしていってほしいのです。

アジアに強い人材を育てるため、以前から色々なことに取り組んできましたが、
一作年、九州アジアビジネス連携協議会で実践アジア社長塾を開講いたしました。
昨年も第二期目を開講し、意欲溢れる中堅のビジネスマン、九州で会社を経営
あるいは中小企業の中で中堅になって将来アジアで事業展開しようという人たちを
対象にして実践的なビジネスのノウハウを伝授しようというものです。是非こういう
ところで、大きくアジアに強い人材に育っていってほしいと願っております。1月末
で合計10回終わりますが、その後ビジネスアワーを計画しており、こちらは一般の
方も参加できるような形で、今後ホームページを通じて紹介いたしますので、是非
ご参加いただければと思います。今回はベトナムのハノイに行きますが、参加希望
の方は、インターネットで「九州アジアビジネス連携協議会」で検索すれば、ホーム
ページにアクセスできますので、是非覗いてみてください。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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