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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 韓国の就職事情(国際企業戦略/永池克明)

韓国の就職事情(国際企業戦略/永池克明)

11/12/09

韓国の就職事情
前回、韓国は外向きで世界と手を組み輸出入に関する自由化を図ってきたという話
でしたが、今日は韓国の国内事情のうち就職についてお話します。

リーマンショック以降、世界同時不況で日本も大変就職事情が厳しく就職氷河期と
いわれておりますが、開国政策を推進して成長戦略に乗り、元気そうにみえる韓国
も就職や雇用事情はかなり厳しいというお話です。
韓国の場合、全勤労者が1751万人いますが、その内34.2%が非正規職に該当します。
従って、勤労者全体の3人中の1人の割合で非正規職の人々が占めています。分母も
1751万と、日本よりかなり少ないのですが非正規職の比率は高いといえます。その他
の具体的な数値では、大学を卒業しても安定的な職場を求められない若者が依然と
して多いです。大卒以上の非正規職は1年間で178,000人も増え、その結果、その
比率は昨年8月の約30%から今年8月では31%増加したということです。高齢化した
熟年社員についても非正規社員が多いことが、日本に比べて深刻さを増しています。
つまり老後の準備が出来ていないので退職後も非正規職として働かざるを得ない人
たちがたくさんいるということです。

賃金に関しては、非正規と正規職の勤労者でかなり差があり、日本もそうですが、
韓国の場合には月平均賃金が1,348,000ウォンですから約9万円程度で、正規職員
勤労者は239万ウォンで約16万円に相当します。
正規職員の56%の水準ですから大変です。大卒の正規社員でも月給が16,7万円
ですから、生活が相当苦しい人たちが多く、若い人も50歳を超えた人たちも厳しい
ということになります。

いわゆる一般大学、教育大学、産業大学といわれている4年生大学生は32万人くらい
いますが、今年の8月時点で就職率は約51%で、32万人の内14万人程度が就職できた
ということがいえます。卒業生は全体で32万人ですが、その分子となる就職できた人
が14万人ですから、全体として51%ではなく、その差は大学院への進学あるいは軍隊
の徴兵です。こういった就職難は海外進出した韓国企業の影響で、国内企業の空洞化
が起きているからです。韓国の国内市場は日本の約4分の1程度ですので、国内市場
は非常に小さいのです。従って、海外志向の会社が多く、サムソンやLGなどの財閥が
典型的です。韓国の経済構造では大企業のウエイトが高く、中小企業は比較的脆弱
です。大企業が皆海外で外国人社員を採用しているので、ただでさえ小さい国内マー
ケットで雇用される数字が小さくならざるを得ません。中小企業はあまり力が強く
ないので、日本のように中小企業に就職できません。

韓国の学生に対する政策は、日本でやっているようなインターシップや就職説明会
ですが、何しろ就職件数が少ないので、大学生は四苦八苦しています。もう1つは、
分母である大学生の数が非常に増えていることです。日本以上に教育熱心なので、
大学への進学率が非常に高く大学数も増加しているので、学生の数が増え、その
結果今までなら大学生になれないような人たちも結構大学生になっています。
だから分母が大きくなり非常に厳しくなっているのです。
韓国の場合も、雇用問題、特に若い人たちの雇用が非常に厳しいのは問題です。
将来の国を支える若い人たちの就職が少なく、非正規社員が大変多いのは極めて
深刻な問題です。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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