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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本の現状と韓国の開国政策~FTAとTPP(国際企業戦略/永池克明)

日本の現状と韓国の開国政策~FTAとTPP(国際企業戦略/永池克明)

11/12/08

第1話 日本の現状と韓国の開国政策~FTAとTPP

今日は、日本の現状と韓国の開国政策、FTAとTPPについて、韓国の開国政策を
参考にしながらお話します。

韓国はまだTPPには加盟していませんが、FTA(自由貿易)で着々と開国政策を
進めています。具体的には、既に二大貿易圏であるEUとFTAを締結し、発効して
100日くらい経っていますが、アメリカともこの度妥結し、アメリカの上下院を通過し、
日本より1歩先に進んでいます。TPP加盟については、日本では世論が真二つに
割れ、一方では農業等の壊滅、それに対して日本産業の壊滅も言われています。
そこで野田首相が決断して、APECで参加表明をすることで、国際的にも発信
しました。

TPP論議では日本の農業問題などに対する対応が気になるところです。日本では
農業問題については、貿易自由化が議題にのぼると昔から自由化すると壊滅すると
いう議論が農業団体を中心にして主張されてきました。例えば、1980年代日米貿易
摩擦が激しい頃、アメリカ産の牛肉、オレンジなどの輸入自由化の問題が議題に
上がった時にやはりこうした反対運動激化しました。しかし、実際に1988年にこれら
農産物の自由化が決定したわけですが、日本の消費者は両方を賢く食べ分け、
壊滅などは起こりませんでした。現実にはアメリカ産も国産もらずどちらも売れて
いて問題は出ませんでした。

今回のTPPでは、かなり幅広い品目での自由化が行われ関税を無くすという基本
方針はありますが、交渉はまさにこれから始まるわけです。だから日本はまず交渉
のテーブルに着いて日本の利害、あるいは特殊性などをどんどん主張する方が、
日本の要求もかなり考慮される可能性も出てくると考えられます。決まった後で
入っていっても、それは不可能です。韓国の場合はEUとFTAを発効した後、貿易額
がかなり増えました。現在、EUと韓国のFTAが発効して100日以上経つわけですが、
結果的に見ると累計で輸出入共に増え、貿易黒字は大きく増えました。FTA締結後、
韓国の輸入が輸出を上回って大変なことになるのではないか危惧されましたが、逆に
143品目で対EUに対する輸出が増加し、産業界全体でもプラス効果があったという
結果が今出ています。

次に、農業・水産業問題ですが、韓国国内で農業や漁業の保護を十分にやらないと
打撃を受けるのではないかという議論は、日本でも同様です。農業の抱えている問題
は韓国も日本と全く同じなので、韓国も韓米FTAに関して予想される被害を与党と
野党で徹底的に議論しようとしています。既に議論が始まって対策が進んでいますが、
日本との大きな違いは、与党も野党も基本的にはFTA加盟を前提にして条件詰めて
いることです。

野党民主党の大物議員も韓米FTA自体には反対はしないと言っています。韓米FTA
が両国の通商交易を増進するにあたって、Win-Winとなる条約にするよう、もっと農民
の立場に立ち難しい分野に優先順位を置いて十分に保証して繁栄していかなければ
いけないと強調しています。保護すべき分野は手厚く保護政策を考え、既に畜産所得
非課税、補助金、あるいは減税など農業品目に関する優遇策をぞくぞくと提案し、
妥結の方向にあります。

コメ農家への個別補償についても、日本以上に手厚い補償を政府が支出することも
決まっています。保護すべきは保護する、しかし攻めるべきは攻めるというメリハリ
が非常にはっきりしています。その点、日本の場合は周回遅れという感じがあります。
与野党両方がもっと前向きに建設的な議論を進めていくべきではないかと思います。
日本も貿易立国で韓国と同様にやっていかなければ、無資源国ですから国が回って
いきません。コメを除く競争力のある農産品の輸出など攻めるべき分野は積極的に
攻めていく姿勢をもっと明確に出していく必要があります。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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