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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 野田内閣の方向性(財務戦略/村藤功)

野田内閣の方向性(財務戦略/村藤功)

11/12/06

野田内閣、どじょう内閣は、のらりくらりと長期化の気配を見せてきています。前原政調会長の了承を原則とすることで、政権に入れなかった党員の意見を反映させる仕組みを作りました。党内での合意を得て、法案を閣議決定して国会へ提出するかたちにしたのです。これは昔、自民党がやっていたことです。党と政府の一体化を試みています。また、野党との関係について言えば、野田総理は、東日本大震災の復興関係の法案の合意を進めるという意図もあって、三党合意を尊重することにしました。

復興関連では、2012年の四月からは復興庁を設置することになっています。また、復興特区のようなものを作って、法人税を五年間無税にするという復興特区案も考えられています。九州にも、九州・アジア特区というものが今でもありますが、もう少し法人税を下げるなどしてもらいたいところです。ただ現状では、東北の復興が優先ですので、なかなかこちらの話にはなりません。

概算要求も、通常は七月に概算要求基準を閣議決定して、八月に各省が概算要求を提出しますが、一ヶ月ほど遅れて、三次補正の編成と同時並行で進んでいます。

復興のための財源を、復興債を発行して調達することになっています。その返済には、所得税と法人税を引き上げて対応します。消費税が含まれていませんが、消費税の増税分は社会保障の財源にあてるためです。

所得税は国税と住民税に分けられます。増税期間については、当初は、2013年から国税は復興期間と同じ10年間、住民税はその半分の5年間を想定していました。しかし自民党が長期化を主張し、国税は25年間、住民税は10年間の増税を、それぞれすることになりました。個人的には、25年間も所得税が上がるとなると、どこかの段階で恒久化してしまうのではないかとの懸念があります。

消費税については、5%を10%に引き上げると言っています。1%が大体2.4兆円に相当しますが、日本の家計の貯蓄が10兆円前後ですから、4%引き上げると貯蓄が0になってしまいます。5%挙げるということは、下手をすると貯蓄がマイナスになるということです。世界的に見ても、家計セクターが赤字になって上手くいっている国はありません。

そもそも大きい政府のままで、経済を成長させよう、税金を引き上げよう、というのは不可能です。売却したら数百兆円になる政府資産や、民営化できる公営事業に先に手を付けるべきです。JTや郵政の政府保有株式を売却するだけでも、多額の資金調達が可能です。財源確保のために、JT株売却の代わりにたばこ税の引き上げ案も出ましたが、国内産葉たばこの全量買い取り制度が破綻することを理由に、自民党が反対し回避されてしまいました。郵政株式については、郵政解決法案の成立が決まっておりませんので、今の所売れない形になっています。

分野: 村藤功教授 |スピーカー:

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