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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > マーケティングの歴史1(マーケティング/出頭 則行)

マーケティングの歴史1(マーケティング/出頭 則行)

11/12/20

今回はマーケティングの歴史その1ということで、まずは消費者の観点からのお話をします。2回にわたってマーケティングの歴史をお話しますが、最初に戦後のマーケティングの歴史を俯瞰し、次回に近未来のマーケティングがどのようになるか、お話ししてまいります。

■水戸黄門とマス・マーケティングの終焉 

テレビの水戸黄門が終わりましたが、これは私にとっては特別なことでした。水戸黄門には色々なシリーズがありましたが、1969年に始まっています。ちなみに、この年にサザエさんも始まっています。2つのTV番組は一家揃って茶の間で見るテレビドラマでありアニメの典型です。

70年代の後半には、水戸黄門の視聴率が一時期40%を超えました。サザエさんも40%近くいった時期があります。全国放送なので、全国4000万世帯の40%と考えると、このすごさが分かります。サザエさんは継続されています。かつては東芝の単独提供でしたが現在は半枠だけの提供になっています。水戸黄門は終わってしまいましたが、サザエさんは今も人気番組の一つです。アニメを作るのに比べ、水戸黄門のような時代劇は設定、話を作る難しさがあったのでしょう。視聴率も低迷していました。サザエさんは今も視聴率が20%近くあります。

水戸黄門の終了は、私には特別の感慨があり、大衆のマーケティング、マス・マーケティングの時代が本当に終わったことを実感させられました。すなわち、テレビの視聴の形態がお茶の間で家族一緒に見るようなものではなくなってきているということです。

■マーケティングのはじまり 

日本のマーケティングの歴史はどこから語っていったらいいか難しいのですが、一番区切りがいいのは戦後からはじめることでしょう。1945年に敗戦した後というのはマーケティングも何もありません。何故かというと、当時は配給制度、もの不足、闇市、買い出しといった時代です。私の母も着物を持って田舎にお米や食べ物に交換しに行ったと言っていました。そういう時代にマーケティング思考は必要がありません。

そして1950年代に入ると、朝鮮戦争がありました。そして、戦争特需というのが起きます。他人の不幸で申し訳ないのですが、日本をずいぶん救いました。まだまだもの不足の時代で何が大事だったかというと、どうやって分配するかということで、マーケティングという言葉は日本にはまだありませんでした。その時代、大学では「配給論」とか「分配論」がマーケティングに近い科目でした。いかに分配するかといった流通が大事だったのです。

■大衆の時代 

マーケティング的な思考というのが出てくるのは60年代からだろうと思います。60年から80年までの20年間は大衆消費者を対象にマーケティングが行われていて、白物家電商品を三種の神器などと言って、他の人が買うから自分も買うというような時代でした。この時代には美空ひばりや石原裕次郎といった大スターが生まれています。このスケールのスターはその後出ません。それから歌謡曲がミリオンセラーになります。全国どこの街角にも流れているような歌もその後なくなっていきます。この時代はミリオンセラーの時代、すなわち大衆の時代です。水戸黄門はまさしく大衆の時代のシンボルだったと思います。

■大衆から分衆へ 

購買行動が成熟していって、日本が豊かになっていき、消費の多様化ということが言われはじめます。大まかに言うと80年代から2000年くらいまでの20年くらいです。ビールの銘柄などをレストランでお客さんに聞くようになり始めたのもこの時期です。これは消費の多様化であり個性化の象徴と言えます。さらに、色々な生活の形態の人が出てきたため、24時間営業のコンビニが隆盛します。

また、普通の女性大生がルイ・ヴィトンを持ってバスや電車に乗っているという日本に独特の光景も出てくる。このような現象は経済性からは説明できません。消費の多様化、ライフスタイルの個性化が起こってきて、この頃からテレビの広告が効かなくなったということがコミュニケーション業界で言われ始めました。堺屋太一さんが「大衆から分衆へ」という言葉を作りました。分衆を英語でいうと segmented consumersでしょう。前の時代がマス・マーケティングの時代だとすると、80年代から2000年までが segmented marketingの時代と言えます。

■One to One マーケティング 

2000年で区切った理由は、2000年頃に大きな変化が起こったからです。インターネット元年は1997年といわれていて、それが広く流布するのが2000年くらいからです。これが大変なインパクトを持ち始めます。インターネットが個人へのマーケティング・アプローチを可能にしました。そのため、One to One マーケティングという用語がこの時代に生まれました。他にも、コンビニに小分けのパッケージが出きてきます。個食と言われ、大きな袋のお菓子が小さな袋になっていきました。また、ネットショッピングが隆盛を極めます。セグメントが個になり、個人としての消費者にアプローチするのがOne to One マーケティングです。

■マーケティングの流れ 

戦後の大きな流れでみると、戦後はマーケティング思考的なものは不必要でしたが、1960年くらいからマスマーケットの時代が始まり、20年くらい続きます。それからすぐに分衆マーケティングの時代があり、インターネットの登場によって One to one マーケティングの時代がやってきました。そして今起きつつある重要なことは、ソーシャルメディアというインターネットの仲間の登場です。仲間ですが、その中でもソーシャルメディアが果たす役割はまた違っています。また新たな流れを作ろうとしていますが、これからどうなるかという話を次回いたします。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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