QT PRO モーニングビジネススクール

QT PRO
モーニングビジネススクールWeb版

FM FUKUOKAで放送中「QT PRO モーニングビジネススクール」オンエア内容をWeb版でご覧いただけます。
ポッドキャスティングやブログで毎日のオンエア内容をチェック!

PODCASTING RSSで登録 PODCASTING iTunesで登録 電子書籍で記事を読もう! EPUB

過去の記事詳細

QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 国際企業経営の大転換①(永池克明/国際企業戦略論)

国際企業経営の大転換①(永池克明/国際企業戦略論)

11/11/03

10月上旬に、タイトルが『国際企業経営の大転換』(九大出版会)で、副題が
「激動するグローバル経済と日本企業の挑戦」という本を出版したので、今日
はその話をします。これは2008年に出版した『グローバル経営の新潮流とアジ
ア―新しいビジネス戦略の創造』(九大出版会)という本の流れを汲んでいます。
最近世界経済が激動していることを踏まえて、全面的に書き直しました。

グローバルという言葉が前回と今回の本にも出てきますが、グローバリゼーシ
ョンに関する議論には、大きく整理して二つの流れがあります。一つは、グロ
ーバリゼーションをやや否定的に見る見方と、もう一つはグローバリゼーショ
ンを肯定的にみて、それを経営マネジメントや効率性など色々なベネフィット
を追求できる、ビジネスモデルも変わると肯定的にとる考え方です。前者は、
例えば地球の有限性、資源は有限なので、このままでは破滅するとか、あるい
は富める世界と貧しい世界に二分化され矛盾が高まる、その元凶はグローバリ
ゼーションであるということです。もう1つは、ITやネットワークなどを効
率的に使い、国境を越えた新しいビジネスモデルを創造し、人類の生活を更に
豊かにし、スピーディーなマネジメントを追求するという肯定的な見方です。

私は後者の立場です。経営の舵取りが、今困難で複雑な状況になっている七つ
の変化があります。2年前の執筆時と比べますと、取り巻く環境が大きく変わ
りました。実物経済に対してマネーの経済が異常に膨らみ、暴走してサブプラ
イムローンやリーマンショックのような大きな混乱を引き起こし、それが現在
の世界経済低迷と混乱につながっていることが第1の変化です。第2は、世界
経済がリーマンショック以降、二極分化したということです。日本も含めて先
進国が低迷しているのと同時に、インド・中国などの新興諸国が大躍進してい
て、世界経済を牽引しているという二極分化です。第3は、貿易構造が大きく
変わり、前述の経済力学の変化に伴い、世界経済の新興国への依存度が高まっ
てきたことです。第4は、更に貿易の構造が大きく変わりました。以前は貿易
は完成品が中心だったのですが、最近は1つの企業でも部品製造を色々な国に
分散して、それをネットワークとサプライチェーンマネジメントで結び、最後
に中国やASEANで最終組立をして世界に出すという、部品や中間品の貿易が主
役になってきました。第5は、グローバリゼーションによって、地理的・時間
的・空間的距離が短くなり、アジアを中心とした新興国において、若く高学歴
で世界的な共通の価値観を持った新しい中間層といわれる人たちが約9億人生
まれ、膨大なマーケットを形成しつつあることです。第6は、世界に繋がる仕
事を獲得しないと繁栄が保証できないので、いかに人、もの、金を吸引するか
という地域のハブの争奪戦が激しくなってきています。第7は、13億人とか12億
人の中国・インドといった人口大国が急速に高度成長することにより、資源・
エネルギー・食糧などの需給が非常に逼迫し、場合によっては不足する、ある
いは価格が異常に高騰することが懸念されるので、人類としてどう解決するか
が問われていることです。

本を書いている最中に東日本大震災が起きましたが、あの時は日本の素材や部
品産業の供給不足が問題になり、世界にまで影響を及ぼしました。自動車部品
をはじめ必要な部品が、東北地域に結構集結していたため、供給不足で世界の
生産構造や物流構造も麻痺した問題があり,日本の技術力は非常に優れているこ
とも改めて世界が認識したといえます。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

トップページに戻る

  • RADIKO.JP
  • ビビックスマホ