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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 3.11後の広告(マーケティング/出頭則行)

3.11後の広告(マーケティング/出頭則行)

11/11/25

日本はアメリカに次ぐ世界第2位の広告大国です。昨年は年間約6兆円が広告に
投資されました。

3・11大地震・大津波の後に大手企業が数週間にわたって広告を自粛したことは、
世界中のコミュニケーション業界に知られており、自粛後どうなるかを注視して
きました。事実、私自身にも要請があり、去る夏休みに地震国のインドネシア、
四川大地震があった中国そして隣国の韓国で3.11後の日本の広告はどうなるかと
いうテーマで講演しました。

テレビ広告において顕著でしたが、大手企業が3・11後の数週間広告を自粛し
ました。23年前、昭和天皇のご崩御の折もご病床に臥せっておられた時から、歌
舞音曲の類とともに広告は自粛されました。ご崩御後の服喪期間、広告自粛が継続
されました。今回の3.11後の広告自粛は、喪に服するという意味は当然あったの
ですが、加えて、この自粛期間に、広告主は3・11後のマーケティングコミュニケー
ションは前と同じでいいのかということを、自らに問い質すことになりました。
昭和天皇ご崩御の時には、その前後の広告のあり方自体には断絶はなかったの
ですが、3.11では、その後多くの広告主が自分たちのマーケティングコミュニケー
ション、広告のあり方を考えなおさざるを得なくなり、モードの転換を迫られた
という意味では随分違っています。殊に、日本のみならず世界経済が混沌の中から
なかなか抜け出せないというタイミングで3・11が起きたということもあります。

2011年度の広告費全体は統計的には久し振りに前年比を上回るのではないかと
言われていますが、復興特需によるもではないと思います。その要因の一つは、
大手広告主が広告活動全体を見直し、新たなコミュニケーションを開始している
ことでしょう。大きな流れの一つはテレビの使い方で、ここ数年広告費はタイム
(番組提供)からスポットに流れていたのですが、このところタイム需要が増え
ているとのことです。大手広告主がTVの視聴率だけでなく視聴質に気を配り
始めたということかもしれません。それから、お気付きの方もおられましょうが、
新聞広告で4色全ページの企業広告が非常に増えています。また、商品広告に
おいても、商品を前面に出すより企業理念を大きく掲げているものが多くなって
います。統計的な裏付けはありませんが、大手広告主が広告のあり方そのもの
を見直して新たなコミュニケーション活動を始めたのではないかと思います。

従来日本は企業ブランドを強調する広告の多い国でした。例えば、アップルは
アップルアイポッドやアップルアイフォンとは言いませんが、ソニーはソニー
バイオといいます。ジェネラルモータースのビュイックは、ジェネラルモーター
ビュイックとは言いませんが、トヨタはトヨタカローラ、トヨタカムリなど商品名
にも象徴的に表われているように、日本はコーポレートブランドを強く打ち出す
ユニークな国です。

しかし、特にパッケージグッズメーカーといわれるサントリー、花王、資生堂
などは、企業ブランドより商品ブランドを際立たせるという傾向がこの数年出
てきていました。例えば、サントリーの伊右衛門は、昔はサントリーというクレ
ジットを出していましたが、最近は伊右衛門だけです。資生堂マキアージュも
企業色を出さなくなりました。アメリカ型の標準的な広告の形です。

ところが、日本ではまた企業広告が増えてきています。商品広告においても、
企業の社会との関わりが語られながら、商品が語られる形が増えています。
これは日本の企業が3・11後に模索しはじめた新しいマーケティングコミュニ
ケーション、広告コミュニケーションの形ではないでしょうか。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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