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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > グローバル人材(9)「日本企業の中国人採用」(経営学/久原正治)

グローバル人材(9)「日本企業の中国人採用」(経営学/久原正治)

11/10/24

■中国人採用の4つのパターン
グローバル人材育成シリーズの9回目は日本企業の中国人人材活用です。
日本企業が中国人を採用するのには、パターンがいくつかあります。

中国で実際にリクルートしているトランセンドアジア社の畑中プロジェクト
顧問が、ダイヤモンドオンラインの9月30日号で、日本企業の中国人採用の
4つのパターンを紹介していますが、面白いのでご紹介しましょう。

第一は、日本国内の量販店の日本語の話せる中国人採用です。例えば、
ドンキホーテは中国で店舗を展開しているので中国人を採用し、日本で
鍛えて中国の販売に活用するのです。その他このパタンには、ヤマダ電機、
しまむらなどがあります。

第2は、中国に進出している製造業の現地での中国人学生採用です。
現地で必要なエンジニアやIT系の人材の採用です。

第3は、日本企業が中国に行ってエンジニア系の人材を採用してくるのが
最近出てきています。日本の中堅、中小企業は日本人の優秀なエンジニアや
IT系人材を採用するのが困難ですが、中国は今非常な就職難で、清華大学
や北京大学など一流の大学を出た新卒のエンジニアでも経験がないから就職
ができない状況なので、日本の中堅、中小企業が中国から優秀なITエンジニア
などの採用を試みています。

言葉の問題ですが、ITエンジニアなどは仕事ができるのが第一ですから、
とりあえず中国に行って優秀な人材を採用して、言葉は後からということ
でしょう。例えば、清華大学で就職フェアをやると千人単位で人が集まる
そうです。

第4は、日立や東芝などのグローバル企業が、グローバル人材獲得のため
国籍を問わず、優秀な人を採用するのが最近流行りになっています。

楽天、ユニクロ、ローソンなども、グローバル人材採用という形で日本人と
同じようにアジアの優秀な人を採用しています。一流企業がやり始めると一種
の流行みたいになりますが、それが日本人に従業員の刺激になることもあると
思います。

■日本企業が中国人新卒を採用するメリットと問題点
日本企業が中国人を採用するメリットですが、第一は強烈な向上心があること
です。それも当然で、新卒が700万人もいて経験がないからなかなか就職でき
ないので、皆必死で競争をしています。

例えば、北京大や清華大学には、同世代中1,700人に1人しか合格できません。
日本で同じように計算してみると、200人に1人は東大や京大に合格できます。
中国では日本の10倍くらいの競争を経てきているから、向上心や競争心が日本
人と全然違います。

第2に語学力、コミュニケーション力です。最初中国人は英語が下手なのです
が慣れると一般に3ヶ国語くらいは普通にでき、日本人よりはるかにコミュニ
ケーション力があります。それがないと就職できないので必死でやりますから、
その結果通じるようになるのです。日本人は必死にやらなくてもいいから、
英語も全然上達しないのです。

中国人採用のメリットの第3は、専門性を早く身に付けてキャリアをアップし
たいので、専門性への忠誠心が高い点です。自分の将来に役立つノウハウや
技術を早く身に付けようとするので、会社に対する忠誠心ではなく、そういう
ことを教えてくれる人に忠誠心があり、身に着けたノウハウや技術を利用して
次々にキャリアをアップしていく考えを持っています。

第4のメリットは、世界中どこでもチャイナタウンもあるし、中国人は世界の
どこにでも身軽にどこでも行けるということです。

一方で、中国人採用の問題点は、専門性への忠誠の裏腹で企業に対する忠誠心
は一般にはありません。常に次のキャリアアップの機会を見ていますから、
企業がいい人材を引き止めることは困難です。

それから日本人は勉強をしていないかわりに、幅広い教養は持っています。
中国人は勉強が忙しく、他の面まで気が回らないのでしょう、幅広い教養と
いう点では日本人に見劣りします。

中国人採用には問題点もありますが、日本の企業にとって優秀な中国人を引き
付けるには、重要な仕事を早く与えて責任を持たせるということです。将来の
キャリアが見えないとすぐに辞めますが、色々な技術が身に付く或いは経営が
理解できると思えば辞めません。それでいい人材は昇進させ現地の幹部にして
いくことが第一です。

■立命館アジア太平洋大卒の日本企業就職者の行方
最後に、以前勤めていた立命館APUの卒業生が、日本企業に入ってその後
どうしているか、気になったのでアンケートをとっているところですので
ご紹介しましょう。現在までにまだ7人しか回答がありませんが、全員最初
の日本企業を3年以内に辞めていました。

それは日本企業では挑戦のしがいがある仕事が与えられなかったり、将来の
キャリアパスがはっきりしなかったりするからです。一方で最初のキャリア
としては非常にいいので、それをベースに次はもっといい外資系企業や給料が
高いところに転職したり、かなりの数が海外の大学院に進学したりして、残念
ながら日本企業は辞めていますが、それぞれの個人はキャリアアップをしてい
るようです。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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