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この夏のイギリス研修(2)(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

11/10/07

前回、九州大学の学生を連れてイギリスの研修に行ったという話をしましたが、今回はその続きです。
今回は、イギリスは産業革命をはじめにした地なのですが、その足跡を辿ってみましたので、そのお話をします。それから、街の中のお店が以前と変わっているという視点から、多少ビジネスに関係したお話をします。

■アイアンブリッジについて 

イギリスには色々な産業遺構が全土に残っていて、世界遺産になっているようなところもたくさんあります。製鉄は産業革命の時に発達しましたので、その鉄を作った故郷、そして世界で初めて架けられた鉄橋がある場所に今回行ってきました。アイアンブリッジ(Ironbridge)という渓谷ですが、ここも周辺の様々な施設と合わせて世界遺産に登録されています。

近くにある溶鉱炉を保存したところや、鉄の博物館といったところも含めて世界遺産になっていますが、一番象徴的な存在というのは、渓谷に架かっている鉄橋です。これは、日本ではその辺りにあるような、長さ100メートル程度の現代では小規模な橋ですが、当時としては鉄製で作ったということも珍しいし比較的小さくはない橋だったと思います。正確な年代までは覚えていませんが、1700年代のものです。

■マンチェスターについて 

マンチェスターにも行ってきました。マンチェスターというのは、北部の産業革命の中心地でした。産業革命では色々な産物が出てきましたが、その中でマンチェスターは綿工業の中心地になったわけです。もちろん原材料は他所の国から出てきて、売るのも貿易として外国に売ることを中心にしていたので、貿易の一翼を担っていたわけですが、その工場がここにあったということです。マンチェスターの別名をコットノポリス(Cottonopolis)といいます。コットンは、綿のコットンですが、ポリスは昔のギリシャの都市国家というような意味です。すなわち、綿工業が栄えた都市という意味ですが、そういう別名があるくらい、ここは綿工業の中心でした。残念ながら、綿工業のあった場所に具体的に行って来たわけではなく、産業博物館をきちんと見てきた程度ですが、世界の産業革命の中心のイギリスのそのまたその工業の中心だったマンチェスターという雰囲気を見て来たということになります。

ちなみに、マンチェスターは、今も工業都市です。人口もイギリスの国内で4位、5位を争うような40万規模の都市になります。もちろん今では、サッカーで有名なところでもあります。

■紅茶とコーヒーについて 

次に、産業革命から少し離れますが、街の中のお店が変わっているという話です。イギリスといえば、飲み物といえば紅茶です。昔の19世紀の小説を読んでいると、貴族は1日に8回もお茶を飲むというような話が出てくるくらい紅茶の国です。もちろん、紅茶というのは他所の地域から入ってきたもので、大昔からあったわけではありません。ですから、ローマに支配されていた時代か何かに紅茶が出てきたら、それはテレビドラマとしておかしいという話になるわけですが、いずれにしても、紅茶でならしてきた国です。

ところが最近は、伝統的なティールームというものが町からどんどん消えつつあります。その代わりに何が増えているかというと、コーヒーショップです。しかも、インディペンデントなお店ではなく、世界中に進出しているような大手企業系がしているものです。日本でいうと、スターバックスのようなところがたくさん出てきています。向こうでもネロ(Nero)など、名前を覚えていないところもたくさんありますが、色々なコーヒーショップが5系列も6系列もあり、それぞれ町の中を席巻しつつあります。比較的伝統を保っているケンブリッジでも、どんどんその手のコーヒーショップが増えてきています。

そして、町の中の伝統的な紅茶を売る紅茶屋さんも、残念ながら様相が変わっています。この紅茶屋さんというのは葉を売るところで、日本でいう日本茶を売る、「~茶舗」のようなところです。昔は葉を中心に売っていて、ティーバッグもありますという形でしたが、今の紅茶のコーナーではティーバッグが主流になっています。喫茶店でもティーバックで出すところがかなり多く、最近葉で出すところが少なくなってきています。私が昔から見てきた、伝統的に紅茶を扱っていた専門店ですら、今は売り場の面積の半分がもうコーヒーです。

お店の方に取材まではしておりませんが、おそらく飲む側の嗜好の変化があったのだと思います。その辺りのことイギリスの国民の方に色々聞いたことがあります。最近どういう生活をしているかというと、紅茶よりもコーヒーなどの方が昔に比べて増えているのは事実だそうです。だから、敏感にマーケットに反応して、お店の形が変わっているということではあります。どうしてこういう変化が起きるのかを考えるのですが、やはり大陸との交流も増えたからということもあると思います。そして、シアトル系のカフェというのは全世界に進出していっていますので、その流れに押されてしまったこともあるでしょう。また、その若者が持っているアメリカ文化に対する憧れのようなものもあり、若い人がコーヒーをどんどん飲むようになってきているというところがあるのかもしれません。

■パブについて 

最後にパブのお話をします。これもコーヒーショップと同じです。以前言った覚えがありますが、フリーハウスといって、大手系統とは関係なくマスターが個人でオーナーとしてもっていて、色々なところから独立系のビールを仕入れるようなパブがありますが、これも少なくなってきています。こうしたチェーン店化されている動きが最近、非常に心配になっています。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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