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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > この夏のイギリス研修(1)(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

この夏のイギリス研修(1)(異文化コミュニケーション/鈴木 右文)

11/10/05

■テロについて 

私は毎年、九州大学の学生を連れてイギリスに研修に行っていますが、今年も行ってきました。今年はロンドンの暴動等がありまして、皆さんから大丈夫でしたかとよく聞かれました。行く前はかなり心配しましたが、何年か前に地下鉄のテロがあった時も色々な措置を講じて学生さんにも了解をとって、その上で行きましたので、今回も行くことにしました。あの時は、他の大学で中止したところがたくさんありました。こちらは大学の公式行事ではないので、関係者の了解を取った上でやりましょうという形でしたが、今回はそこに至るほどでもなく、収束に向かっていましたので行きました。

日本では人種問題で起こった問題と報道されていたことが多いかと思います。加えて、イギリスの国内経済事情ですね。その辺りが非常に複合要因だったようですね。面白いと思ったのは、地元の人たちがこの件に関して世界でどういうふうに報道されたのかを大分気にしていたことです。原因はこれとこれだ、というようにピタリと言い切ることができないということをおっしゃっていました。

■鉄道の予約について 

学生を連れて行っていますし、気を使うこともありました。今回いくつか印象深かったことをお話します。
日常的な話からいきます。向こうに行くと、学生も私もイギリスの国内を動き回ることになりますが、やはり日本と違うということを認識することが色々ありました。

実は私も鉄道ファンでありながらそこまで知らなかったということがありました。指定券の発売ですが、3時間前で打ち切られます。これは知りませんでした。「すぐ後の列車の予約を取りたい」と言ったら「3時間前で終わり」という話がありました。日本でしたらおそらく発車直前まで売るでしょう。そのため、次の列車の空いている指定席を押さえて安心して乗るということができるわけですが、そういうことはイギリスではできないようになっているということです。色々理由はあるかと思います。指定席というのは、指定がかかると列車が始発駅を発車する前にその指定の札を座席に差していくところが多いです。列車を動かすオペレーターがいくつかありますが、多くのオペレーターがそれをやっていますので、その都合もあるのでしょう。長年のシステムもなかなか変わりません。座席予約も直前までできるようになれば、もっと便利になるだろうと思います。ただ、現行のサービスで我慢する我慢強いイギリス国民ですから、なかなかそこまでいかないのかもしれません。それが当たり前と思っているところもあるでしょう。

■鉄道の指定券について 

次に、これは今回気が付いたわけではありませんが、お話します。向こうは分割民営化で、全国で20いくつかに、昔の国鉄が分かれています。それぞれの列車を動かす会社をオペレーターといいますが、会社によっては指定券を設けていないところがあります。そのため、予め予約して安心して行くということができないところがあります。1つ例を挙げると、ロンドンからのシェイクスピアの故郷で有名なストラトフォード・アポン・エイボン(Stratford-upon-Avon)というところへ向かう鉄道のオペレーターは指定を受けません。立てばいいので、積み残しというのはまずないかと思いますが、イギリス国内の別の混む区間ではデッキまで一杯で乗れなかったということが時々あるようです。この夏の時期、例えばエディンバラ(Edinburgh)に行くような超幹線になりますと、98%くらいの座席が予約で押さえられているというようなことが多いようで、中には本当に予約客だけで満席ということがあります。向こうは自由席と指定席の区別がないので、全て指定を取る人が希望すれば、もうそれで一杯になってしまうという形になります。

■バスについて 

次は、鉄道の関係からちょっと離れてバスについてです。バスも向こうで皆さんが苦労します。以前、バスもなかなか大変だというお話をいくつかしたことありますが、今回よく観察すると、また新たに分かったことがあります。日本だと時間通りに運行するということについて、皆さんはかなり気を使います。例えば、バスが時刻表よりも早く運行していると、時間調整で止まったりするようなことがよくあると思います。向こうではあれをしないので、驚きました。始発のバス停は時間通りに出ますが、後はもう時刻表を見ずに適当に走ります。予めオンラインで調べた時刻表と付き比べてみますと、2、3分早いのは全然気にしません。ですので、途中のバス停から乗るには、5分か10分くらい前から立っていないといけないと思います。また、路線によって違いますけども、それが2時間に1本しかないようなところでもこの状態です。乗る側が相当気を付けなければいけません。

以前にも話しましたが、バス停で立っているだけでは乗客と見なされないので、合図しないとバス停のポールのところに立っているのに通過してしまいます。それは今回気を付けましたが、新たに面白いことが分かりました。バス停に別のバスが後からちょっと10秒差くらいで入ってくる時に、後のバスが自分の目的のバスだった場合、そのバス停にいる人たちが後ろのバスの運転手に向かって騒ぎ出さないと、後のバスは追い越し車線に回って行ってしまいます。不親切ですが、向こうでは常識となっています。だから、乗客の側がきちんと乗る意思を示さないといけないという、乗る側に責任を持たされているという文化なのです。そのため随分違うと思いました。その辺が向こうに行って受けるサービス、日本で受ける丁寧なサービスの印象の差の1つの具体例だと思います。

■地下鉄について 

次は地下鉄についてです。日本と違うと思っていることは、グラスゴー(Glasgow)に行った時にありました。これは今回行ったわけではありませんが、地下鉄が非常に小さいです。七隈線も小さいですが、あれよりも中がふた周り小さいと思って下さい。天井に頭が着きそうなくらい小さいです。そして、3両編成でコトコト走るような、トロッコ列車みたいなものです。日本だと掘削するのにコストがかかり過ぎるのであまりやりませんが、あまり土地などが高くなく、工事も簡単に済むところでしたら、地方でも小さな地下鉄でやれるのではないかという感じを持ちました。ただ、乗り心地はそこそこです。

その他に、市電等が向こうでは発達しています。エコということで、日本でも路面電車が復活等よくやっていますが、日本でも見習うところがあればいいなと思います。

分野: 鈴木右文准教授 |スピーカー:

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