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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 技術商業化の人材育成プログラム(その2)(産学連携マネジメント/高田 仁)

技術商業化の人材育成プログラム(その2)(産学連携マネジメント/高田 仁)

11/09/20

今回、米国の研修プログラムを日本に持ち込むにあたって、日本の参加者に適合的か否かが最も気になるところであった。講師が米国人のため、講義は基本的に英語となる。ケースメソッドの事前学習教材も全て英語で、講義中のディスカッションも全て英語で行われる。
また、8日間の研修で米国流の方式がどの程度受講者に受け入れられるかも気になるところであった。

実際には、講義中の質問やディスカッションも、それなりに英語で交わされ、受講者の満足度も高かったので、当初の心配はほぼ杞憂だったと言える。

従来の技術商業化の人材育成は、各大学のTLOや産学連携本部といったところで雇用された人が、オンザジョブ・トレーニングで知識やスキルを修得していくという方法がほとんどだった。
ただ、残念ながらTLOや産学連携本部は慢性的なスタッフ不足や予算不足に悩まされており、オンザジョブで育成できる人材の数は限られているし、その数が限られている以上、新しい若手人材がなかなか増えにくいという構造的問題がある。このことは、ミュージカルの劇団が収入不足のために若手を育成できずにいることと似ている。
例えばサッカーで例えてみると、日本ではJリーグをトップにJ2、更にその下の地域のクラブチーム、ジュニアチーム、高校、中学、小学校・・とピラミッド上にサッカー人口が構成されている。J2以上をプロ選手とすると、アマチュアの層も幅広く存在し、サッカー業界を底支えしている。

技術の商業化人材も、TLOや産学連携本部の人がプロだとすると、その下層にアマチュア層がいてもよい。実際、米国のMITやボストン大学では、ビジネススクールの講義で、学生が実在する大学の研究成果を取り上げて、その技術面と市場への適合性について評価を行う。学生のチームは、商業化の戦略や最初の投入市場を推奨するなど、発明者やTLOの役に立つ情報を提供する。また、ビジネスプランコンペへの応募を通じて商業化の事業計画をブラッシュアップし、実際に会社を設立する場合もある。
このような“アマチュア”というか“セミプロ人材”の取組みによって、TLOや産学連携本部では不足しているリソースを補い、技術の商業化の可能性を高めることができる。
また、人材育成を通じて、研究室の若手研究者や企業の若手エンジニアが大学の研究成果の商業化に関心を持ち、人材ピラミッドのボトムがより広がり、将来“プロ”の世界に飛び込もうと考える人も増える可能性がある。

新しい業界を創り、成長させていくためには、若手がその業界の魅力を知って飛び込んで来る環境を作ることが不可欠だ。今回大阪大学が取組んだような技術商業化の人材育成プログラムを全国に拡大継続できると、大学の技術商業化とそれを担う人材育成を同時に進められる可能性がある。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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