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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 製品市場調査戦略立案プロジェクトの概要と具体的内容 (国際経営/永池 克明)

製品市場調査戦略立案プロジェクトの概要と具体的内容 (国際経営/永池 克明)

11/09/06

前回は、海外市場開拓のためのビジネスプランの策定とプロジェクトチームについてお話しました。
今回は、製品市場調査や戦略立案プロジェクトについて詳細にお話ししていきたいと思います。


■戦略計画の立案
戦略計画と実行計画(これら2つを合わせてPMS, Product/Market Strategy) 製品/市場戦略という)を
策定するためには、まず該当する事業、製品と市場の分析を行います。
これを製品・市場分析(PMS、Product/Market Analysis)といいます。

そしてその調査によって事業毎の製品の成功の鍵(KFS)を抽出し、
成功の鍵と自社の現状やレベルとのギャップがどの程度あるのかを計測します。
その後、そのギャップを埋めるための3年間の戦略代替案を作成していきます。

その中で、例えばできあがったA案、B案、C案それぞれについて、
長所、短所、必要な経営資源をあげていき、1つに絞り込んでいきます。
そして、その戦略代替案(3年計画)に基づいた1年間の実行計画(予算)について、
例えば誰がいつまでに何をするといった工程表を具体的に作っていきます。
これが実行計画です。ここまでが大きなステップです。


■PMS(製品/市場戦略)の決定のためのPMA(製品/市場分析)
PMA(製品/市場分析)は手当たり次第に調査すればいいということではなく、
目的を明確化させ、問題解決型であるということが重要です。
言い換えると、事実に基づいた客観的情報と分析を行い、
大きい問題等はできるだけ小さい問題に細分化して問題解決をするということや、
現地でインタビューをしたりして情報を集めたりするということになります。

まず、市場動向の把握にあります。
例えば、市場規模や今後の成長性、地域性、構造変化の有無、ライバルとの競合状況、
ライバル企業の戦略等について徹底的に調査して、
バリューチェーンの構造や収益性の最も高い部分、
販売網やサービス網の比較分析等を行います。
この製品の新しい技術やトレンドはこの国ではどういう段階にあるのかということや、
この製品によりどういう変化が生まれるのかといった技術動向についても把握します。
他にも、政府の政策についての政策的条件、為替や業界の構造、法的規制も分析していきます。

そういった中で、ターゲットになる企業、あるいはベスト・プラクティス企業、
ベンチ・マーキング企業ともいいますが、そこに対して自分の会社はどういった差があるのか、
どういう強み、弱みがあるのか、こうした一連の戦略要因を抽出し、
KFSを抽出していくのがPMS(製品/市場分析)です。

調査、分析を具体化し、成功の鍵に対して自社がどういうレベルにあり、
それを埋めるための複数の戦略を考え、それぞれの強みと弱みを調べて、
それをプロジェクトチームの上部機関である「ステアリング・コミッティ」という意思決定機関に諮ります。
これを1ヶ月に1程度のペースで定期的にやり、方針を決めて、
それに基づいて戦略計画(製品/市場戦略)、PMS,Product/Market Strategy)を立てることになります。


■製品市場戦略(PMS、Product/Market Strategy)立案成功の条件
このように実行計画を立てるところまで、非常に細かく分析を重ねていきます。
前回もお話ししたように、海外進出を急ぐあまり失敗してしまう企業もありますが、
やはりビジネスはある意味で限りなくサイエンスに近いものでなければなりません。
このようにして立てられた実行計画が成功するための条件として、
それぞれのチームやその事業の責任者が強い問題意識を持ち、
調査の目的をよく理解しているということが重要になってきます。

そして最優先でその人たちを支援するということ、
また、チームリーダーやチームメンバーに、
将来プロジェクトを実行する場合の中核になるトップクラスのエース級の人を配置とするということも、
プロジェクトとして必要な要素です。
このプロジェクトの進度を定期的にチェックし、必要があれば修正するということや、
分析する場合にも極力ゼロベースの事実に基づいて客観的に行うということ、

また、仮説を常に設定し、それに基づいて問題解決型の調査をしていくということも大切です。
その上で、必要に応じて優秀なコンサルタント会社の助力を得るという形でやれば、
高い確率で現実的かつ実行可能な計画ができると思います。


■中小企業の戦略立案
実行可能な計画の完成までには、多くの細かな作業を必要とします。
そのため、規模の小さい会社では人員面、資金面で困難な部分があるかもしれません。
これを克服するための方法としては、例えば、取引先の銀行の調査部や、
商社、弁護士、調査会社などと二人三脚でやっていくということが考えられます。
もちろん、それをできるだけ最小の費用でやっていく工夫や、
現地の顧客の声に耳を傾け、現地の政府の協力を得る、
というこの3つは特に新興国の場合では、大変重要となってきます。

今回の話を参考に出来るだけ勝率の高い調査をして、海外へ進出していって欲しいと思います。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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