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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 海外市場開拓のためのビジネスプラン策定とプロジェクトチーム (国際経営/永池 克明)

海外市場開拓のためのビジネスプラン策定とプロジェクトチーム (国際経営/永池 克明)

11/09/05

特に最近、これまで日本国内だけでビジネスを展開してきた内需型産業が、
日本経済は今後あまり大きな成長が見込めず、逆に縮小していくと考えて、
続々と海外にビジネスチャンスを求めて進出しようとしています。

しかしこういった企業の中には、海外に進出してから展開を考える、
あるいは簡単に調査をして進出する、
ひどい場合には同業他社に遅れを取るまいとして何の準備や調査もせず不用意に進出する、
というような企業も見受けられ、私の目には非常に危なっかしく拙速に映ります。

今回は、海外市場の開拓におけるビジネスプランの策定と、
プロジェクトチームの編成についてお話ししていきます。


■ビジネスプラン策定のポイント
海外進出では、何のためにこの国に進出するのか、
そしてどのようなビジネスをどういう形で展開していくのかという、
「目標設定」を明確にするということが非常に重要です。
また、その目標設定に関連して、3ヶ月や4ヶ月程度現地に滞在して調査を行い、
その調査に基づいたビジネスプランを立てるという、「事前調査」、
すなわち「フィージビリティ・スタディ」にきちんと取り組む必要があります。

やはりビジネスプランも、戦略や目標だけでは絵に描いた餅になってしまいます。
逆に、戦略や目標が無いと、行き当たりばったりの形になってしまい、計画性を欠くことになります。
このように、市場調査のポイントとして、明確な目標を設定し、
進出する理由を決めることがまずはあげられます。

また、現地調査にあたっては情報収集やその分析、
問題点の抽出をきちんと行うことが重要です。
その際、経験や勘、あるいは人の話などに頼るのではなく、
ビジネスは科学であるという考え方で、
できるだけ科学的・客観的な分析を行うことでビジネスの成功勝率も上がります。


■調査プロジェクトの事例
私は総合電機メーカーの東芝で戦略企画マンとして、
海外で実際に調査プロジェクトに携わってきました。
具体的には、アメリカではカラーテレビやノートパソコン、
複写機、自動車電話や電話の交換機の調査、
それからイギリスやドイツ、フランス、イタリアでは複写機について調査してきました。
また、東南アジアでは現地工場の進出のための立地分析調査に関わり、
多くのプロジェクトで、1件平均で約3ヶ月から4ヶ月の間現地に赴き、
本社派遣メンバーと現地法人のメンバーによるプロジェクトチームを編成して行いました。

最初の内は分析ノウハウを学ぶためにコンサルタント会社に入ってもらい調査分析を行いました。
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)やマッキンゼー(McKinsey & Company)などです。
プロジェクト責任者については色々なケースがありますが、
本社の事業部門の責任者や事業部長、
あるいは現地の社長や事業部長をプロジェクトリーダーとして出して調査を行いました。

この海外プロジェクトのおかげで、東芝は海外で強力な地位を獲得することができました。
例えば、複写機では極めて科学的な調査を通じて戦略計画を練り、
実行したことで、プロジェクト終了後数年すると、ゼロックスやキャノンに次ぐトップクラスへ、
ノートパソコンでは世界トップに躍り出ました。


■プロジェクトチームの編成
海外プロジェクトを進めるにあたっては、まずプロジェクトチームを編成します。
このプロジェクトチームは事業にもよりますが、例えばノートパソコンであれば、
営業関係者、マーケティング、製造、技術、経理、そして私のような企画といった、
普段では一緒できないクロス・ファンクショナルのメンバーで構成されます。

日本と現地、そしてプロジェクトによっては第三国からもメンバーが集まるため、
チームは多国籍となります。
各国から集まるメンバーは、それぞれの分野で社内トップクラスの人を優先的に選出します。
やはり、社運を決するようなプロジェクトになるため、
それぞれの分野を熟知したエース級の人材にフルタイムで参加してもらうのです。

そして、その事業に関して長期的な改善を期待して、
プロジェクト期間中はプロジェクトが最優先の事項となります。
また、各メンバーが作業に没頭できるように、
現地では通常の仕事場とは切り離した場所を確保し、
集中的に作業を行います。

ノートパソコン事業部長や複写機事業部長などの各部門長も、
プロジェクトメンバーの要求には最優先で応えるという体制で進められます。
コミュニケーションには、英語が共通言語として用いられます。
プロジェクトリーダーはこうしたい分野のメンバーを束ねて、
集中力を欠かさないように様々な工夫をします。

次回も続けて、製品市場調査(PMA)や戦略立案(PMS)プロジェクトについてお話ししていきます。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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