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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 代表的台湾企業の事例 (国際経営/永池 克明)

代表的台湾企業の事例 (国際経営/永池 克明)

11/07/06

台湾がこれだけ大きく発展した背景として、
世界中のトップクラスのグローバル企業の生産を
「電子機器の受託生産サービス(EMS)」や、
半導体産業における「ファウンドリー企業」が請け負ってきたことがあげられます。

特に、IT関連、液晶、携帯電話、半導体等広範にわたっており、
委託生産を引き受けて急速に規模を拡大し、
規模の利益、範囲の利益を追求して拡大してきました。

今回は、EMS企業とパソコン企業について台湾企業の事例をご紹介したいと思います。

*EMSとはElectronics Manufacturing Serviceの略で、
主に米欧日など先進国企業の委託を受けて、
主にIT製品を相手先ブランドで大量生産を請け負う専門企業のことで、台湾企業に多い。
半導体の委託生産専門企業のことはファウンドリー(Foundry)企業といい、これにも台湾企業が多い。


■鴻海精密工業の事例
前々回にもお話ししましたが、EMS企業では鴻海精密工業が世界最大です。
同社は、自社ブランドではなく他の企業の電子機器を一手に引き受けて大量生産しています。
この鴻海精密工業は、グループ総帥の郭台銘(カクタイメイ)氏が、
1974年に創設した比較的若い企業です。

設立後は、テレビ部品の委託生産に始まり、
1980年代にはパソコン部品生産の引き受け、
そして1990年以降はパソコン周辺機器やデスクトップパソコン、
ゲーム機、携帯電話や液晶ディスプレイ等に多角化し、
低コスト製品の大量生産を行ってきました。

一方で、コスト高にも対応して1988年には中国に進出しました。
広東省深圳(シンセン)に工場を新設し、
2010年時点で45万人規模の労働者を要する巨大企業となっています。

同社が生産を請け負っているデジタル製品には、
アップルの「iPod」や「iPhone」、任天堂の「ニンテンドーDS」や「Wii」、
ソニーの「プレイステーション」にマイクロソフトの「Xbox」、
他にもモトローラやノキア、ソニーエリクソンの携帯端末、
HP、デル、アップル、ソニーなどのパソコンと、
私たちの生活でもおなじみの機器が名を連ねています。

そして今や鴻海精密工業は、パソコン、
液晶テレビの基幹部品である液晶パネルメーカーで、
台湾第2位の奇美電子や友達光電など、液晶パネルメーカーのトップグループを買収し、
パソコンや液晶分野全てをカバーする垂直統合へ移行しようとしています。
日本メーカーでも、例えばソニーや東芝は台湾のEMS企業へ、
液晶テレビの生産を委託しています。

このように、鴻海精密工業も含めた台湾企業の特徴として、
自社ブランドではなく世界中の有名企業から生産を請け負って、
規模を拡大させてきたということがあげられます。
実際、世界に出荷された液晶テレビ台数の25%は台湾メーカーによって生産されたものです。


■台湾パソコン企業の特徴
台湾はIT機器などで世界的に高いシェアを誇りますが、
同国はパソコン王国としても有名です。
パソコンの世界シェアランキングには、HP、デル、レノボ、東芝など、
有名企業が入っていますが、その中で現在、
台湾のエイサー(宏碁電脳)が第4位につけています。
また、ネットブックで有名なアスースも台湾の企業ですが、同社も第6位に入っています。

実のところ、この2社は台湾のパソコン企業の中では例外です。
他の大部分は相手先のブランドで生産を行うOEMで、
エイサーやアスースのように自社ブランドを有していません。
とはいっても、ノートパソコン全体でみると、
世界シェアの80%超を台湾企業が占めています。
台湾では、パソコン産業と半導体産業が共に、
以前ご紹介した台湾のシリコンバレーといわれる
「新竹科学工業園区(サイエンスパーク)」を中心に発展し、
強力な開発体制を台湾の部品メーカー同士で結成してきました。


■エイサー(Acer, 宏碁電脳)の事例
台湾のパソコン企業の中でも、エイサーは自社ブランドを持つ数少ないメーカーです。
パソコンの世界シェアランキングでも順位は年によって大きく変動しますが、
近年、エイサーは常に上位(3位~4位)に位置しています。

創業者の施振栄(スタン・シー)氏は1944年生まれで、
1963年に台南市の国立成功大学を卒業しています。
その後国立交通大学電子工学科で修士号を取得し、
1981年にはアップルに次いでパソコンを開発、発売しました。
自社ブランドにこだわり、一時期はOEMとも並行して生産していましたが、
最終的には、自社ブランドのパソコンに集中して、特に中国市場で拡販に取り組んでいます。

現在では同社はパソコンで世界有数の企業に成長し、
OEM企業の多い台湾の中でも自社ブランドで世界のトップに躍り出ているということで、
施振栄氏は日本でいう松下幸之助氏のような最も尊敬される経営者の1人といえます。

以上、今や、台湾企業はITや半導体、液晶で世界のトップに肩を並べる存在となっています。
台湾企業の得意とする製品は日本企業とも親和性が高く、
日本企業にとっては様々な国際連携を結んでいる相手先でもあります。
また、台湾の経営者には日本留学経験者や日本語に堪能な人も多く、
親日家が多いのが特徴です。
そのため、中国市場で台湾企業と手を組んで経営を行うのも成功の確率を上げる方法でしょう。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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