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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > グローバル人材の育成(2)日本の大学のグローバル人材育成(経営学/久原 正治)

グローバル人材の育成(2)日本の大学のグローバル人材育成(経営学/久原 正治)

11/07/01

前回からグローバル人材の育成という話をしていますが、日本の大学のグローバル人材教育というのは今後大事であるということを話して前回は終わりました。今回は、日本の大学はどういう状況になっているのかというところから話します。

■グローバル人材が養成できない4つの理由 

残念ながら、日本の大学はグローバルな人材が養成できていません。これは4つ理由があります。

まず第一に、教育のカリキュラムが、各先生の趣味のような科目を並べてしまっていて、どういう人材をどういうふうに教育するかという明確な目標に従って、カリキュラムが体系立っていないという点があります。やはり、先生方は皆さん研究者でもあるため、自分の研究がメインとなってで、教育についてどのように学生を社会に出て役立つように育てるかというところまで考えていないように思えます。

2番目の問題として、学校が教育目標をきちんと具体化して、先生にこういうカリキュラムでここはこうやるというのが言えればいいのですが、教育に関する経営が不在で、思い付きで人材養成をやっているような面がああります。

最近、キャリア教育をしているところが多くなっていますが、それもエントリーシートの書き方とか、挨拶の仕方とか形式的なものが中心です。本当のキャリア教育は何か、そこをまずきちんとしなければいけないということです。

3番目に、学生自体が非常に不安な状況におかれているということがあります。大学生が増えたという供給側の理由と、それから企業の正社員の求人が減ったという需要側の理由と両方があり、学生の将来が非常に不安であるということです。

そこで学生は、大学自体が将来のキャリアに役に立つ教育をやっているのかどうか分からないが、とりあえず不安なので学校にだけは来ている。しかし、何をやっていいか分からないという不安です。卒業するために単位だけとっているような感じもあります。

4番目の問題としては、グローバルのあ世界でとても通用しない教員が問題です。私も教員なので偉そうなことは言えませんが、グローバルな世界に出して通用しないような教員が多い気がします。

学生の話によれば、授業でも、パワーポイントに書いたものを画面に映して読んでいるだけで、学生に考えさせるような教育の仕方を知らないような人たちも出てきているようです。パワーポイントのコピーを渡すので、学生サイドでもこれを読めば話は聞かなくてもいいということになってしまいます。

私たち大学にとって、学生の将来不安を解消するようなことを考えてやらなければいけないということが大学の課題としてあると思います。

そこで、グローバルな人材教育をやるということは、学生の将来に対する不安の解消の1つの手だてになってくるのではないかと考えています。

■大学がグローバル人材を養成するためには 

グローバルな中での学生の人材教育はどのように順序立てていったらいいのかということについて話します。

世界に通用する人材を大学は養成するということを定めて、そのために必要な学習の目的を明確化します。そこで勉強する人は将来のキャリアに役に立って、彼らが世界に出ても通用するという自信を持てるような教育を、私たち大学が考えなければならないということです。

具体的にどういうことをやらなければいけないかというと、まず第一に、英語というコミュニケーションの手段が、グローバルに不可欠なわけですから、英語でコミュニケーションとれるようにしてあげなければいけません。

次に、多様な世界に出るわけですから、色々な国の文化を学んだり、そういう国と交わったりするような機会を作る必要があります。

それから、教員も英語で授業をやったり、きちんと異文化や海外を経験させたりするようなキャリアの支援をやる必要があります。それが本当の支援になっていき、学生の不安を埋めていくことになると思います。

大学の国際化ということでいうと、特に国公立大学を中心に、グローバル30や色々なプロジェクトをやっています。授業の半分は英語でやるということを掲げている大学もありますが、それで先生たちが対応できるのか、学生もそれに応じられるのか、実際に見ると両方とも問題があると思います。

先生達は忙しいですし、英語でやるのも面倒なので、予算がついたら外国人を雇ってきて、外国人に日本のことを教えさせたりしています。これではグローバル化にはなりません。

それから、学生については最初から英語で授業を受けるのは難しいので、教養課程で英語のコミュニケーション取れるように英語をきちんと教育し、次に英語の授業を受講する、あるいは海外に交換留学するる、こういうステップを踏んで教育することが大事になってきます。

■日本人学生のモチベーションを上げるには 

日本人学生のモチベーションをどうやって上げていくかというのも重要です。

モチベーションを上げるために、私は国際化の3点セットというのを提唱しています。

1つは、まず少人数のゼミのようなところに海外の留学生を入れて、異文化を少人数のところで経験させるということです。

2番目は、交換留学です。すぐに海外に留学できるわけではないので、最初は日本人同士で短期の語学留学などをやり、それから少なくとも半年は海外の大学に交換留学させます。

チャンスはいくらでもありますが、なかなか皆さん行けません。ちゃんとステップを踏んでやらせなければいけないと思います。最後に、国際寮を大学に作ると非常に効果的です。

最近の国際化に力を入れる大学では、例えば1年生は全寮制にして、各部屋に4人くらいでシェアさせて、1人は留学生を入れることで、生活面でも異文化の交流をさせています。

既にこういう体制になっている大学では、3割くらいの学生ですが日本人の学生でも英語でスムーズにコミュニケーションできています。日本人の学生が3割だけでも国際化していくということが重要だと思います。

■アジアの経営教育センターとしての日本の大学院の国際化 

最後になりますが、アジアの経営教育センターとしての日本の大学院の国際化について話します。

特にビジネス系の大学院ではこの役割が大事になります。

そこでは、日本は戦後、経済的に成功した国ですから、どうやって成功したのか、どうやって世界的な製造業が存在するのかというのを、英語できちんと学生に、世界に伝えていくようなカリキュラムが根幹にないといけません。

また、国際的に通用するような経済学、経営学の研究と教育をやっていく必要があります。

そうすると、アジアだけではなくて世界中から日本の大学院に優秀な学生が集まって来て、教授陣も国際的にレベルの高い人たちが集まって来ます。そこで、私たち教員自身が国際的に通用するように、海外で論文を発表したり、海外にどんどん出ていったりしなければなりません。

分野: 久原正治教授 |スピーカー:

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