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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 産業界の求めるグローバル人材とは(2) (産学連携マネジメント/高田 仁)

産業界の求めるグローバル人材とは(2) (産学連携マネジメント/高田 仁)

11/07/19

昨日紹介した経団連の調査「産業界の求める人材像と大学教育への期待に関するアンケート調査(2011年1月発表)」によると、グローバルに活躍する日本人に求められる素養として最も回答が多かったのが「既成概念に囚われずチャレンジ精神を持ち続ける」で、次いで「外国語によるコミュニケーション能力」、「海外の文化や価値観の差に関心を持って柔軟に対応する能力」が続く。

従来は、企業が新卒を一括採用し、それを数年間かけて徐々に「自社好み」の人材(=一度入社した企業に一生忠誠を尽くす、企業戦士とも呼ばれていた)に育成していくのが一般的な姿だった。そのような人材育成が機能した理由として、過去は企業の事業目標や社内で共有すべき価値観などが比較的シンプルだった(特に、高度経済成長期〜バブル経済の崩壊あたりまで)ことが挙げられよう。

しかしながら、バブル崩壊後の事業縮小やリストラ、経済が成長しない中での新規事業、本格的なグローバル化・・・等々、先が見えない中で経営を強いられることから、全てを本社の経営幹部が企画立案し、それを効率的にオペレーションすれば収益が得られるというスタイルでは限界が生じるようになった。その結果、グローバル人材の素養として、「既成概念に囚われずチャレンジを」とか「海外の文化や価値観の差に柔軟に対応する」といった事柄を重視するようになってきていると推察される。

産業界が大学教育に対して期待することとして特徴的なのは、単に外国語が出来るということに留まらず、「専門科目を外国語で履修するカリキュラム」や「企業の経営幹部からグローバルビジネスを学ぶ」、「海外大学との連携やダブルディグリー」「教育現場における外国人の確保」といった項目が挙げられている。その他に、「学生が海外に出ることへの忌避感が広がっていることが課題であり、卒業までに海外留学を奨励すべき」との個別意見も出されている。

さて、この企業側の要望を眺めていると、本社には2%台しか外国人を雇用しておらず日本人を中心にグローバル展開を加速しようとしている一方で、大学には、学生に在学期間を通じて十分な海外対応能力をつけさせてから世に送り出して欲しい、という企業側には若干ムシの良い要望に聞こえなくもない。しかしこれは、それだけ企業側に危機感が大きいということであるし、また、今の若者(特にリーダー人材)は、企業がどう考えようとも国内/海外の区別なしに置かれた環境に対応し、能力を発揮する必要性が高まっていることは明らかである。

置かれた環境に対応し能力を発揮するために、企業側が特に大学に期待することとして、「教育方法の改善」が挙げられている。具体的には、双方向型・学生参加型・体験活動を含む多様な授業の実施、あるいは教員の教育力向上に期待が大きい。

この点について、私自身がここ1〜2年の間に20歳前後の学部学生に対する教育に携わっていても、その様なスタイルの授業に対する学生側の需要の高さを強く感じる。意欲の高い主体的な学生はそのような教育を「渇望している」といっても過言ではない。従って、私自身も限られた講義の時間内で、知識を提供するスタイルと、学生にディスカッションやグループワークをさせるようなスタイルとのバランスを取ることに配慮するようにしている。

ただ、やはり気になるのは、近年の若者の海外を避けようとする傾向である。次回はこの点についてさらに考えてみたい。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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