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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ビジネススクールについて(その1)(中村裕昭/経営リスクマネジメント)

ビジネススクールについて(その1)(中村裕昭/経営リスクマネジメント)

11/07/11

以前、経営リスクマネジメントについてお話をしましたが、BBIQの
リスナーの方々からも「ビジネス・スクールはどの様なところか」と
いうお問い合わせもあるので、今日はビジネス・スクールについての
お話しを致します。

私は九州大学ビジネススクールの創立初期の頃に3年間ビジネス・
スクールの責任者として運営に携わってきました。ビジネス・スクール
を設立する前には、ビジネス・スクール発祥の地アメリカにおけるトップ
ビジネス・スクールの教育責任者を訪問し、ビジネス・スクールの
教育について色々な調査を行なっています。

さらに我が国の大学教育認証機関の1つである大学基準協会において、
日本のビジネス・スクール認証評価の仕組み構築にも関与しました。
こうして、ビジネス・スクールの教育の質をどのように確保するのか
という目線で、調査活動及びシステム構築に携わるという貴重な経験が
できました。また、私は、日米を中心にビジネス界に30年近くおりましたが、
アメリカだけではなく日本でも、部下あるいは同僚にアメリカのトップ
ビジネススクールの卒業生が数多くいました。取引先にもビジネス・
スクール修了生が沢山いたので、ビジネススクール出身者の実践的な
教育レベルや実力を把握する機会にも恵まれました。

しかしビジネス・スクールは、日本ではまだ馴染みが薄く、一体
どういうところなのか、正直分からないという方もいます。
ビジネス・スクールというのは、別名「経営大学院」とも呼ばれ、
大学院教育の場です。大学には、経営学部や商学部などがありますが、
学部ではありません。ビジネス・スクールは、経営者または経営を
担うビジネスリーダーを養成するために高度な実践的経営リテラシー
を学ぶという性格を持ち、大学院教育を行っています。

経営リテラシーというのは、経営の学問や知識のことをいいます。
ビジネススクールは単に机上の理論だけを学ぶところではなく、
実践的な学問や知識というものを学ぶところで、学問に根差した
理論や知識を実践に活かせるように訓練をしています。

理論を具体的に実践に活かせるために、まず多くの授業で意識する
のは、経営者や管理者の立場を意識するということです。自分が
経営者、あるいはプロジェクトリーダーであればどう判断するのか
という視点で物事を考えます。例えばマーケティングの科目で、
ブランドについて学ぶことを考えてみてください。マーケティング
戦略の教科書ではブランドを高めるための様々な理論的枠組みが
提供され、学生はこれを勉強しますが、ビジネス・スクールでは
ここで終わりません。ブランド力を高めようとする会社やブランド力
を落とした会社などの様々な実例を利用して、自分がその会社の経営者
であればどう対応したのかということを議論します。つまり、ケース
スタディです。時にはそのケースにぴったりと当てはまる理論的な
枠組がない場合もあります。また、現実の世界では理論的な解明が
難しいケースもあります。そういう場合でも経営者として様々な
選択肢を考え、論理的にベストシナリオを選択できる能力を養うこと
を学びます。

実践的な教育という意味では、今、世の中で色々な経営セミナーや
ビジネスセミナーなど多数ありますが、それらとの違いというのは、
第1にビジネススクールの教育は大学院教育ということで、大学院
教育としての質が要求されるということ、第2に学問体系に根差した
体系的なカリキュラムであるということ、第3に、ビジネス・スクール
の修了生は世界的に認知されているMBAという学位が与えられるという
諸点があげられます。更に、第4番目の点として、ビジネス・スクールの
教育体制については第3者の認証評価機関による定期的な確認評価が
行われているところが特徴でしょう。

ビジネス・スクールのカリキュラムを設定する際にまず注目するべき
点がいくつかありますが、大事な点を挙げると、第1に現代のビジネス
リーダーに必要な経営上の力量要素とは何かという点を考慮します。
次に、それらの力量を学ぶことができる科目の選定を行って、体系的に
カリキュラムを作っているということです。

経営上の力量とは、経営者やビジネスリーダーに必要な素養や能力の
ことをいいます。例えばリーダーシップ性や論理性、戦略性、倫理性、
計数感覚、あるいは会計感覚、国際性、法務感覚、リスク感覚という
ような様々なものがあります。こうした力量要素の束の中から現代
ビジネスに必要な要素を選択した上で、学問的な体系を考慮して科目を
選定して、それらを実践的に教育するためのカリキュラムや授業計画を
策定し、2年間で一定の力量を確保できるようにプログラムされています。

世の中で行われている「経営セミナー」や「ビジネスセミナー」などは、
一つ一つの価値はありそうです。しかし、ビジネス・スクールでは
「総合的かつ体系的な力量」を確保するという観点から経営リテラシー
教育が組み立てられているという点が特色と言えます。

分野: 中村裕昭教授 |スピーカー:

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