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フェイスブックの影響(その1)(産学連携マネジメント/高田 仁)

11/06/24

フェイスブックについて、今や知らない人はいないだろう。エジプトの反政府運動を下支えしたのもフェイスブックだと言われており、また、2011年4月には、オバマ大統領もフェイスブック本社を訪問し、CEOのマーク・ザッカーバーグと会談するなど、その社会的影響力は拡大している。東日本大震災の際も、安否の確認や被災地が必要とする様々な情報のやり取りがフェイスブック上で行われ、緊急時のコミュニケーション・インフラとしても機能することを示した。
元々フェイスブックは、2004年に、ハーバード大学コンピューターサイエンス学科専攻の2年生だったマーク・ザッカーバーグが仲間たちとともに設立したベンチャー企業で、当時は紙媒体として学内に配布されていた「フェイスブック」という新入生の顔写真付きプロフィールのネット版を大学内に限定したサービスとして提供するために設立された。
そのサービスは友人たちが何に時間を費やしているかといった他愛のないことを実は多くの人が知りたがっているというニーズを顕在化させ、ハーバードで絶大な支持を得た。その後、ハーバードの枠を超えて全米の他大学にも同様のサービス展開を行い、さらには大学のみならず一般ユーザーにも開放され、現在のユーザー数は世界中で5億人とも6億人とも言われている。
これだけのユーザー数を短期間で実現し、その影響力を無視できないことから、しばしば「世界第●位の国家」といった表現もなされる(人口だけで見ると、中国、インドに次いでもはや世界第3位の規模)。米国の教育関係者が作成した映像”Did you know? 3.0”というビデオクリップによると、登場から5千万人のユーザーを獲得するまで、ラジオが38年、テレビが13年、インターネットが4年、iPodが3年、そしてフェイスブックは2年で、いかにフェイスブックが加速度的に普及しているかがよくわかる。
このフェイスブックと、従来存在したミクシィなどのソーシャルネットワークと特徴的な差異は、フェイスブックでは実名での登録が必須な点だ。これは、もともとハーバード大学の新入生プロフィールをアップして閲覧するサービスとしてスタートしたことに起因している。
CEOのザッカーバーグ本人も、会社を設立した当初は実名でのネットワークがこれほど新しい価値をもたらすことは想像していなかった。しかし、フェイスブックが普及するにつれて、インターネット上での実名のコミュニティが従来のネット社会とは全く異なる価値を生み出しうることに気づいて、それを頑に守り続けてきた。デビッド・カークパトリックという元フォーチュン紙の記者が書いた『The Facebook Effect(邦題名;フェイスブック 若き天才の野望)』では、「世界にもっと透明性を加えることが必要だ。さまざまな情報へのアクセスを拡大して情報の共有を広げることが、結局、世界に必然的に大きな変化をもたらすと、ぼくらは考えた」というザッカーバーグの言葉が紹介されている。
従来のネット社会は、匿名性を前提としていたために、良い面(他人の目を気にせず自由に第2、第3の自分を創れる)もあったが、一方で、詐欺まがいの行為や相手を傷つける言葉遣い、情報の真贋の見分けが困難、などの問題も当然含んでいた。実名によるネットワークの形成は、それまでの匿名だったインターネット上の世界に、新しいムーブメントを生み出した。実名だからこそ人と人とのつながりがより強固で密なものになる、そして、実名だと個人の日々の行いが透明性高く他人に知れてしまう(写真も含めて)ので、他人に知られると困るような行動をとらなくなる。ザッカーバーグは、「可視性を高くすればするほど良い人間になれる」と信じている。
Googleは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」というミッションを掲げ、様々なサービス(グーグル・アース、グーグル・スカラー、グーグル・ブックス)も無償でどんどん立ち上げている。フェイスブックは、「世界がもっとオープンに、もっと互いに(実名で)つながり合えるようにする」というミッションを掲げ、これまた新たなサービスを付加し続けている。
このように、透明性によって社会に変革をもたらしつつあるフェイスブックだが、ビジネスという観点から見たフェイスブックはいったいどんな姿なのか?次回はこれを解説したい。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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