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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 中国の電子情報産業動向~テレビとパソコン(中国経済と産業/国吉 澄夫)

中国の電子情報産業動向~テレビとパソコン(中国経済と産業/国吉 澄夫)

11/06/02

■液晶テレビ生産が主流 

今日は中国のエレクトロニクス産業の動向として、カラーテレビとパソコンの動向についてお話します。
既に以前の放送でお話したことがあるかもしれませんが、中国は1970年代の後半に、カラーテレビの国産化を目指して、海外からの部品と組立の技術導入を行い、日本企業各社がこれに積極的に協力しました。その成果があってか、現在では中国は世界一のカラーテレビ生産大国になっています。また、最近の傾向としては、液晶テレビが生産の主流を占め、ブラウン管型テレビは年々減少して、今では発展途上国輸出や国内農村向けのみとなっています。
数字で見ていきますと、2010年の世界のカラーテレビ生産量2.47億台の内、1.15億台つまり、46.5%が中国生産です。また、液晶テレビに関しても、世界で1.9億台生産された中、中国での生産が9000万台ですから、約半数を占めています。マーケットとしての中国国内市場もカラーテレビ全体で4600万台、その内液晶テレビが3600万台で従来のブラウン管型テレビは750万台と大幅に減少しています。なお、プラズマ型テレビは中国では余り普及せず、230万台程度となっています。

■家電下郷や以旧換新政策が後押し 

この旺盛な中国国内のカラーテレビ需要を支えているのは勿論、国全体の経済が豊かになったことが原因であることは言うまでもないですが、政策としての「家電下郷」「以旧換新」という二つの政策が果たした役割は大きいといえます。前者は農村地帯に家電を広めるために政府が13%の補助金を出したこと、後者は都市住民に対して古い家電との買換えに対して13%の補助金を出すもので、日本の「エコポイント制」と似ていますが、これは2007年以降中国で進められていますから、中国が先で日本が真似をしたといわれても仕方ないですね。
個別の企業で言えば、広東省の創維(スカイワース)、TCL、康佳(コンカ)、青島の海信(ハイセンス)、四川省の長虹といった中国地場の5社が競い合っています。一方、外資メーカーはというと、ソニー、シャープ、サムソンの「3S」と言われる企業がハイエンドで人気を博しており、それにLGや東芝が続くといった構造ですが、一時期液晶テレビで外資の優勢が言われたのですが、最近は地場企業が大きく盛り返しています。

■生産の主流は台湾企業、販売はレノボと米企業 

一方、パソコンですが、生産においては台湾企業へのOEMを通じて、2010年世界生産3.5億台の約60%を占める2.2億台が中国で生産されています。これは対前年比24.7%増です。ノート型パソコンは1.7億台でこれも対前年伸び率は22.8%と成長を続けています。しかし、生産はその多くが、FoxconnやCopal等EMS(Electronic Manufacturing Service)と呼ばれる台湾企業で、日本企業や米国企業、また、中国のトップ企業であるレノボ(聯想)も生産委託しています。
一方中国市場をブランド別に見ていくと、1位レノボ(32.2%)、2位台湾エイサー(7.8%、方正:Founderを含む)、3位米デル(7.5%)、4位米HP(7.4%)となり、世界のトップ4が順序は違うが中国でもトップ4を構成している。
レノボは2005年のIBMのPC部門買収により世界第3位のPCメーカーに躍り出たが、その後は厳しい経営を強いられ、CEOも楊元慶氏、S.ward氏、W.J.Amerio氏と代わりましたが、売上と収益改善の為に中国市場での一層の拡大を図る方針で2009年2月、創業者の柳伝志氏が董事局主席、楊元慶氏がCEOに復帰して経営の建て直しを図っています。その注目される経営が今年1月に発表されたNECとのPC合弁です。NECは日本国内ではトップといえども、世界では大きく後退しており、出荷台数から見ればNECはレノボの10分の1にしか過ぎません。一方、日本国内市場では7位と弱いレノボはNECと組むことで、日本市場へのアクセス拡大が図れます。今年6月に生まれる新会社「レノボNECホールディングス」はレノボ51%。NEC49%とレノボが主導権を握る経営になる見込みです。
ここでも日本企業の存在感が一つ薄くなったのが気がかりです。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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