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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 日本大震災による中国の生産への影響(中国経済と産業/国吉 澄夫)

日本大震災による中国の生産への影響(中国経済と産業/国吉 澄夫)

11/05/09

■中国の日本からに輸入最大アイテムは集積回路 

東日本大地震による中国での生産への影響について考えてみたいと思います。
というのは、日中間の貿易取引において、日本からの輸入は全体の12.7%を占めて最大の輸入相手国になっています。また、最大の輸入アイテムが集積回路であり(140億ドル)、それに次いで、鋼材(88億ドル)、自動車部品(80億ドル)となっており、日本製の部品なくしては中国の組み立て型輸出産業は成り立たないからです。

■部品供給問題は起こるか 

今回の地震被災地には、電子、自動車、石油化学などの産業が集積しており、半導体工場も数多く点在しています。その中には、米テキサスインスツルメント(TI)の美浦工場/会津工場があり、また、ルネサスエレクトロニクスの那珂工場他数工場、東芝の岩手工場のほか、シリコンウェーハーのSUMCO(三菱マテリアルと住友金属の事業統合会社)(米沢工場)、信越化学(鹿島工場)など微細加工を行う工場が含まれ、生産ラインに影響が生じて、一時的には部品供給が滞ったようですし、また、停電なども生産に大きな影響を与えたようです。
日系各社の中国での組み立て生産拠点では、当面は在庫などがあり、直ちには生産への影響ということにはならなかったようですが、長期的には影響があり、生産ラインの中国移管が加速されるのでは、という見方もあるようです。
以前、中国でSARSが蔓延したとき、日本企業の間で「調達のダブルソース化」ということが議論されました。一ヶ所のみからの調達では非常時に取引が止まってしまうので、複数からの調達態勢にするということですね。今回もこのことが議論されています。
また、日本での減産に伴う中国への増産要求によって、今既に発生している人手不足やそれに伴う、さらに賃金アップにつながるでは、という懸念があるようです。
さらに、地震からの再建のインフラ投資の増加で、コマツ、三菱、日立などの建設機械が不足するのでは、との観測も中国で流れているようです。

■地震に敏感な半導体製造装置~三洋電機の例 

ところで、ICなど半導体ですが、半導体工場は地震の震動に非常に敏感で、地震が原因で生産能力が落ち、大きく損益が落ち込んだ例として、2004年10月の中越沖地震で新潟県小千谷市にある三洋電機の半導体子会社「新潟三洋電子」が壊滅的な打撃を受けて500億円を超える損出を抱え、以後業績悪化から回復できず事業撤退を余儀なくされた例もあります。現在、モトローラ系のONセミコンに事業譲渡されています。
私の経験でも、半導体の設備は精密性が高く、1台1億円近くもする米国製ICテスターなど、今ある場所から10cm動かしただけで、メーカーのエンジニアーを呼んで微調整をしなければいけないぐらい、少し動かしただけでも精度狂うといわれています。そのため、地震にあった工場の機械は皆再調整しなければならないので大変だし、時間も掛かります。
 関連して、以前この番組でお話した中国の四川大地震の時の四川省のテレビメーカー長虹という会社のプラズマの生産ラインですが、あの時の長虹も全社一丸となって、方や救援活動を行いながら生産再開という難しい問題に取組んで頑張っていましたね。
今回の地震で被災された企業の方々だ一日も早く回復されることを祈ります。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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