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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 台湾のハイテク産業の現状と特徴(PART-Ⅱ)(国際経営/永池克明)

台湾のハイテク産業の現状と特徴(PART-Ⅱ)(国際経営/永池克明)

11/05/11

前回は、台湾への視察そしてハイテク産業の現状と特徴について
お話しました。その続きですが、台湾がこれだけ成長しているのは、
何といっても台湾が世界中のトップ企業からの調達先になっている
からです。それはパートナーシップが広がった結果です。具体的な
数字でご紹介すると、調達金額が25億米ドル以上で、非常に多くの
調達をしている企業を挙げますと、アップル、DELL、HP、
レノボ、サムスン、ソニー、東芝といったところです。次に25億米ドル
未満で4億米ドル以上の取引になると、シスコシステムズ(米国)、
富士通、IBM、インテル、LG、NEC、ノキア、フィリップスと
いった、お馴染みの世界超一流企業がずらりと名前を連ねています。

台湾は、戦前は砂糖などの農業が中心でしたが、戦後は早い時期から
貿易立国を掲げて、特に製造業を強くするという国家戦略を立てた
背景があります。最初ものづくりを日本企業からも学び、特に量産
技術を身に付けました。1980年代の中盤頃世界中からOEM
(相手先ブランドでの生産)で、先進国のブランドの大量生産を
請け負うところから出発しました。80年代後半になると、ただ作るだけ
ではなく欧米や日本企業の設計も請負い、少し付加価値を広げました。
更に、グローバルなロジスティクスも請け負い始めました。例えば、
世界のフェデックス(FedEx Japan)などを上手く使って、サプライ
チェーン・マネジメントを担当しました。さらには設計だけではなくて
研究開発も、先進国に代わって請け負う、あるいは共同で行うことが
できるようになってきました。つまりマーケティング以外は全部
請け負うので、大変な付加価値を稼ぐことができます。ハイテク・
パークでは最先端の研究開発が実際行われています。

台湾の政府には、ビジョンや国家戦略があります。そのポジショニング
は、大きくいうと3本柱になっています。その1つがグローバル・
イノベーションセンターです。具体的にいうと、ハイテク製品の
サプライチェーンにおける製造センターだけではなく、開発、創発を
行う開発総合センターを目指すこと、経済政策の優先事項として、
ハイテク製品のイノベーションを中心にすえることが1番目の柱です。
2番目の柱は、アジア太平洋地域の経済貿易面のハブになるという
ことです。具体的には、アジア太平洋地域での研究開発も含めた
グローバル企業の運営管理を全部代行し、産業資金の調達・提供を
行うことです。何故なら台湾国民は勤勉で貯蓄率は非常に高いので、
それも可能です。台湾華僑は金融サービスも得意です。それから物流
ハブのプラットフォームなどロジスティクスでも世界トップクラスの
海運会社をもっています。生産は中国に任せ、マーケティング以外は
全部やろうというわけです。3番目は、台湾の台商運営本部です。
台商が台湾人のビジネスの運営本部になるという世界戦略です。
台商は台湾華僑のことですが、世界中の華僑に対して資金、人材、
技術そして運営管理のノウハウを提供することで、世界中の華僑
あるいは資本の中心地になるという、大きな目標の3本柱を掲げて
いるのです。

私たちが住んでいる九州の中小企業は、日本国内市場はジリ貧で
世界に目を向けなくてはダメだという気運はありますが、どうやって
やればいいか分からないと悩む経営者が多いのです。そんな中で、
台湾は参考になると私は思います。

規模は同じといわれる九州ですが、色々な問題を抱えていて道州制の
話はなかなか進まない中、福岡が中心になって世界に目を向けて、
活動を進めることは有意義なことです。台湾と九州の共通項は、
どちらも製造業が強いことです。香港やシンガポールは金融が中心
ですが、台湾は製造が中心なので学ぶべき点があるといえるでしょう。

分野: 永池克明教授 |スピーカー:

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