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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 2010年日本の広告費(マーケティング/出頭 則行)

2010年日本の広告費(マーケティング/出頭 則行)

11/05/06

■広告産業の大きさ 

今日のテーマは、2010年日本の広告費についてです。この2010年というのは、去年の1月から12月の1年間の広告費です。今年の3月末に最新データとして公表されたものを、今日、ご案内したいと思います。
2010年度も前年割れとなりました。リーマンショック以降、3年連続で前年割れでして、前年比でいうと98.7%ですから1.3%減少したということです。額でいいますと、5兆8427億円。この広告産業、5兆8427億円がどのくらいのサイズかというと、他の産業・業界と比べてみますと、例えば自動車産業は43兆円といわれたりしています。情報産業は14兆円、身近なところではパチンコ産業がかつては30兆円といわれたのが現在では21兆円くらいです。広告産業は、2010年は1年間で5兆8427億円であるというデータになっています。

1年間を振り返ってみると、オリンピックがあったり、万博があったりで、去年の前半は好調でした。前年比で見れば、昨年の10月~12月期も回復基調にありました。珍しくマス4媒体が伸長して、やっと薄日が差してきたかなと思っていた矢先に、今回の東日本大震災なので、広告業界、メディア業界にとっては結構な痛手であろうなと思います。

■各メディア媒体の広告費 

1つ1つの媒体をみていきます。テレビが珍しくというか3年ぶりなのですが増加に転じていて、101.1%、1兆円7100億円でした。特にゲーム業界からのスポットが随分貢献していると思います。あと自動車のエコポイントですね。これで大分出稿があったと思います。マス媒体についてはテレビだけが増加していて、マス4媒体といわれている内の新聞、雑誌、ラジオというのはやはり減少です。新聞は94.9%(6400億円)で、5.1%の減少。雑誌は90.1%(2700億円)ですから10%弱の減少。ラジオは94.8%(1300億円)で、5.2%の減少ですね。ですから、マス4媒体の内、テレビだけがわずかに増えたということです。
マス媒体以外というのは、衛星メディアというのも1つのカテゴリーになっていて、CATVなどですね。これは110%で伸びています。全体額では800億円くらいですけど。インターネットは引き続き堅調で、109.6%。7700億円と推定されています。
インターネットは新聞を超えていて、広告費でいうと第2のメディアになっているということですね。
そして、プロモーションメディアというのは、それ以外のもの全てです。DMやチラシ、屋外広告なども全部プロモーションメディアといっていて、これも全体としては減少していて95.6%です。全てを入れたものですから、総額で2兆2,100億円でした。

■テレビとインターネット 

しかし、インターネットも単価がかなり低いということもありますし、今後の伸びはかってほどは期待できないのではないかと思います。従来2桁成長していったのが、伸びがそんなにドラマチックじゃなくなってきていて、一桁台の伸び率に落ち着き始めています。インターネットに関していいますと、新聞が、特に日経やフジ系列など、紙面のウェブ化というのが結構進んでいて、新聞の前年割れの一部はこのインターネットの方に移行しているということもいえるだろうと思います。日経はお金もとって、何とかうまく軌道に乗り始めていますね。
かつてメディア・ミックスというと、マスコミ4媒体を按配よく効率よくミックスすることでしたが、マスメディア、特にテレビとインターネットをいかに組み合わせるかがメディア・ミックスの中心的な考え方になっています。これをクロスメディアといったりしていますね。事実、インターネット広告といってもその中心はモバイルを中心にしたキャンペーンの連動型の広告です。キャンペーン連動型はどこと連動しているかというと、テレビと連動しているということなので、テレビとインターネットどう組み合わせるかというのが、今のメディア・ミックスの中心的な考え方になっています。テレビを扱えるのは大手広告代理店ですね。大手広告代理店というのは、テレビが命綱なわけです。従って、大手広告代理店はテレビとインターネットを組み合わせたキャンペーン連動型の手法をこれからも積極的に開発してゆくでしょう。

■ラジオの今後 

最後にラジオ。ラジオはずっと10年間落ち続けています。ということで、ラジオの健闘を期待したいところですが、1つ特徴が表われているのは、コミュニティ放送についてです。
これは243局あるといわれていますけれども、かなり小規模ながら前年割れしていません。コミュニティ放送が前年割れしていないというところに、ラジオというメディアの特質が表れているのではないかと思います。そこに、ラジオのあり方、将来性というものがあるのではないかと、そのような印象を持ちます。本当に小回りのきく、パーソナルで、地域に密着していて、というようなところがやはりラジオならではですね。
そして今回の東日本大震災でも、やはりラジオだったというふうに声を出している人たくさんいます。だから、ラジオに関しては新しい展開が今後考えられるのではないかなというふうに思います。是非とも頑張って欲しいなと思います。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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