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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 人と人の間で生じる葛藤 (組織心理/藤村まこと)

人と人の間で生じる葛藤 (組織心理/藤村まこと)

11/04/25

今日は、「葛藤」についてご紹介したいと思います。葛藤というと、
みなさんは心の中で生じる葛藤を連想しやすいのかもしれません。
葛藤にはもうひとつの意味として、辞書的にいえば、「人と人が互いに
譲らず対立し合うこと」、つまり対人的な葛藤があり、今日はそちらに
ついてお話します。

心理学では、葛藤は大きくふたつに分類されています。いわゆる個人の
心の中でふたつの欲求が同時に存在する「心理的葛藤」ともうひとつは、
「社会的葛藤」です。そして社会的葛藤は3つに分類されています。
1つは、家族や友人など身近な他者との関係で生じる人と人との葛藤です。
2つ目は、民族紛争や人種的偏見、差別やテロリズムなどの集団と集団
の間で生じる葛藤です。最後は、組織内で生じるさまざまな葛藤です。

それでは、組織内での葛藤について見ていきましょう。組織内葛藤には
どんなものがあるかというと、まずは課題に関する葛藤(task-conflict)
です。何か集団で決める時、決める内容や手続きの在り方、お互いの
役割分担など仕事に関する意見の対立が生じますが、そういった職務や
課題に関する対人間の葛藤のことを指します。そしてもうひとつは、
関係葛藤(relationship-conflict)です。こちらは、仕事の内容と
いうよりも、個人的な価値観や好き嫌いなどの感情が絡んだ対人間の
葛藤を指します。

ただ、この2つの葛藤が明確に分かれるかというとそうではなく、
あの人とはあまり仕事をしたくないとか、あの人と仕事がしたい
というように、関係葛藤と職場葛藤というのは入り混じることは
多いですね。あるインタビュー調査の報告では、業績の良いチームは、
課題葛藤が時折生じることはあっても、関係葛藤はほとんど生じて
いなかったそうです。

私たちは、「対人葛藤」というとそれはネガティブなもので、
極力ない方がいい、対立もしないほうがよいと思ってしまいがちですが、
ある程度の葛藤はあった方がよいのかもしれません。つまりチームで
1つ目標を決める時、集団で何かをしようというときは、葛藤がない
状況よりもなぜその目標が今必要なのか、どうやってそれを達成する
のかという前向きな議論が活発に行われる方がよいのかもしれません。
意思決定過程に個人が参加することは、集団の目標や集団に対する
コミットメントや愛着を高めると言われています。結果として、個人の
モチベーションも高まる効果をもたらしますから、葛藤はあっては
ならないものではなく、良い葛藤は行うべきかと思います。

その際に重要なことは、課題葛藤と関係葛藤を分けることだと思います。
そのふたつが混じると、ネガティブな葛藤になる可能性は高くなりかねません。
あの人の言うことは正しいけれど、好きでないから反対するというのは
避けたい事態です。

また、ここでは対人葛藤に対処法の3分類についてもご紹介します。
1つは、「回避」というパターンで、そもそも葛藤自体を表に出さず
葛藤を生じさせないというパターンです。そしてふたつめは「対立」
です。お互いの言い分を主張する、相手を攻撃するなど、さまざまな
対立の仕方がありますが、どちらが正しいかを決めるゼロサムに近い
解決方法になります。3つ目は、「協調」といわれる解決方法です。
消極的なものであれば説得や哀願、譲り合いという形をとります。
互いに妥協するという解決策は、ある意味お互い譲り合う良い解決策
ですが、積極的な解決策としては、相互の要求が満たされるような
統合的解決もあると言われています。

また、葛藤における解決策としてもうひとつあげておくと、
1対1の葛藤を仲裁する第3者の役割が注目されています。
対立するどちらかの味方としての第3者ではなく、間に入り、
公平な立場で仲裁をする第3者がいれば、葛藤のよい形での解決は
生じやすそうです。

<参考文献>
大渕 憲一(著)・高木 修(編著) 2008 
葛藤と紛争の社会心理学―対立を生きる人間のこころと行動
(シリーズ 21世紀の社会心理学12)  北大路書房

分野: 藤村まこと講師 |スピーカー:

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