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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 実践アジア社長塾 上海ビジネスツアー(中国ビジネス/国吉 澄夫)

実践アジア社長塾 上海ビジネスツアー(中国ビジネス/国吉 澄夫)

11/04/06

■実践アジア社長塾を2010年10月~2011年1月開催 

私ども、九州・アジアビジネス連携協議会主催で、「実践アジア社長塾:第1期九州からの中国ビジネス幹部養成講座」という社会人向けの10回シリーズのビジネス講座を開催し、毎回18~20名の福岡や長崎の企業、主として中小企業の経営幹部の皆さんからの参加を得て、成功裏に終了しました。受講生の皆さんは、アジア・中国との貿易についてはある程度経験があるものの、投資となるとまだまだ経験が浅いか、経験のない企業も多かったのですが、中国投資の実際に経験を持った講師陣から実践的なノウハウの伝授を受け、一生懸命勉強をされました。そして、講義終了後、実地に2泊3日で上海を訪問し、実際に進出している企業を訪問したり、出先機関からレクチャーを受けたりしながら、積極的な意見交流を行うなど有意義なツアーを体験しました。

■上海ビジネスツアーを実施~森松工業 

この上海ビジネスツアーですが、私が団長として計13名で、上海地区の企業、ジェトロ、福岡県事務所などを回ってビジネスの現状をヒアリングしましたが、その中でも大変ユニークだったのが上海・浦東空港の近くにある森松工業というプラント機器メーカーの現地法人でした。
この森松工業という会社は岐阜に本社をおく従業員550人の中堅企業ですが、ステンレス製の各種タンクを製造し、世界中で活躍する企業に成長しています。その原動力になったのが、1990年代初めに上海浦東開発区ができてすぐに第1号投資案件で進出した現在の上海工場の成長といえます。現在までに10の現地法人がこの地域に設立され、さらに隣の江蘇省の南通市に巨大工場の建設の計画があります。従業員もすでに2800人を超えています。森松工業のグループ売り上げ450億円、利益55億円のうち、上海現地法人が売上300億円、利益50億円を稼ぎだしていいますから、日本の本社より中国の会社が規模が大きくなり、「中国に食わせてもらっている日本」という姿になっています。また、現地法人の中国人営業マンが中心に、GE,シーメンス、P&Gといった世界の大企業に売り込み、受注を貰っているそうです。現に、我々が工場を視察している間も欧米系企業の技術者と思われる人たちが何人か、ヘルメットをかぶって工場の中を行き来していました。

■ユニークな松久社長の経営哲学 

今回のツアー参加者の多くが感心するとともに、大いに心を打たれたのが森松工業本社の松久信夫社長です。松久社長は現地法人の董事長も兼ねておられ、今回我々の訪問に際して、わざわざ岐阜の本社から上海にお出で頂いて社長自ら工場案内をしていただきました。また同時に、会議室での講話で会社の成功の秘密を披露していただきました。
既に述べた,徹底した現地化で、中国人の営業マンの積極性を引き出し、中国人による海外メーカーからの受注も積極的に進めたほか、女性の活用も積極的です。現在、研究開発部門と海外部門の責任者は女性だそうです。さらに、本社から志願してくる女性社員も積極的に現地で責任者にされているようです。
社長ご本人は、本社には月に3日しか出社されず、中国工場にも月3日顔を出されているそうです。本社にいる時は自宅と会社の中間の喫茶店に「出社」して、パソコンと携帯電話を、また、本社や上海工場に取り付けたウエブ・カメラを駆使して、社内の状況をしっかりと確認、不具合を発見するとすぐにメールや電話で指示されているそうです。
社長がいない方が部下はのびのび仕事が出来ると同時に無駄な役員室を作らなくていいので、経費削減になるとの哲学です。
こうしたユニークな経営手法を述べた著書「出社は月に3日でいい」は昨年7月の東洋経済新報社から出版されて大人気で、現在2万部が売れているというからすごいです。
森松工業の例は日本企業グローバル展開を考える上で、大いに手本になります。現代の「松下幸之助」か「本田宗一郎」か、と言ったところでしょうか。ある意味では、日本企業というよりはむしろ無国籍企業、或いは、多国籍企業というよりは国籍にこだわらない企業と言えます。こうした中国と日本と一体になってものづくりは、ある意味では、明日の「ものづくり日本」を考える大いなる参考になるのではないかと思います。

分野: 国吉澄夫教授 |スピーカー:

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