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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 地震とIT技術、そしてソーシャルメディア(その2)(産学連携マネジメント/高田 仁)

地震とIT技術、そしてソーシャルメディア(その2)(産学連携マネジメント/高田 仁)

11/04/28

前回は、東日本大震災後の震災情報ポータルサイトの立ち上げとソーシャルメディアとしての役割について触れた。今日は、さらにソーシャルメディアが震災で果たした役割について考えてみたい。
今回の地震関連の情報の入手は、マスメディアを通じた情報提供と、ツイッターなどのソーシャルメディアを通じた情報提供とを比較してみる貴重な機会だった。
刻々と変化し錯綜する状況をどのように伝えるかという点で、個人的には質・量・速さのいずれの面でもソーシャルメディアに軍配が上がったと考えている。
仕事の合間にツイッター画面を眺め、気になるつぶやきがあれば直ぐにリンクを辿って情報源にアクセスし詳細な情報を得るという行動に慣れてくると、家に帰ってTVのニュースで目にする情報が「中古品」のように感じる。
ソーシャルメディアからの情報取得には、次の3つのメリットがある。
迅速さ
幅広い観点からの情報(意見)収集
(3)1次情報(正確な情報)へのアクセスし易さ
つまり、能動的に情報を収集する意志とスキルを有していれば、ソーシャルメディアを通じてある程度確かな情報をいち早く得ることが出来る。
一方、ソーシャルメディアにはデメリットもある。
情報の正確性の保証がない(1次情報に遡ることが必要)
恣意的な情報選択の可能性
世論全体がミスリードされる危険性
特に、情報収集・選択の過程で自分が気づかないうちにバイアスがかかってしまう可能性が否定出来ないため、極力客観的なデータを把握するように努め、かつ得た情報をどう解釈するか自己責任の比重が増大したことは、福島原発関連の情報収集で多くの人が痛感したことと思う。

メリットとデメリットの両方があるものの、ソーシャルメディアの普及によって従来のマスメディアからの情報がいかに偏った断片的なものであったかに、多くの市民が気づき始めている。このソーシャルメディアの存在感の増大は、今後のIT技術の進展と相まってさらに明確になるだろう。
そのとき、市民一人一人が、情報の収集や選択の際に、自己の意志と責任の大きさを理解し、ソーシャルメディアを“使いこなす”意識を持つことが重要だ。
そのためには、(後藤さんの専門領域だが、)市民のメディアリテラシーに関する教育・訓練が極めて大きな意味を持つ。近年、「子供に携帯を持たせない」というルールをわざわざ作る自治体や教育機関もあるようだが、これは全く時代に逆行している。むしろ、幼い頃から正しい情報の収集や選択、加工、発信方法、それに伴う倫理観をきちんと教育することこそが必要であり、その能力を高く身に付けた市民が多ければ多いほど豊かさ(精神的な意味も含めて)を享受出来る社会が形成される。

今回の震災は、IT技術とソーシャルメディアの進歩によって、自分が「プロシューマー」化し始めていることを気づかされる大きなきっかけであった。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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