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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > 地震とIT技術、そしてソーシャルメディア(その1)(産学連携マネジメント/高田 仁)

地震とIT技術、そしてソーシャルメディア(その1)(産学連携マネジメント/高田 仁)

11/04/27

今回の東日本大震災の被害の甚大さは人類の想像を超えるものだった。被災された方々には心からお悔やみを申し上げるとともに、1日も早い復興を願ってやまない。
さて、今回はこの地震とIT技術、特にソーシャルメディアの役割について話したい。
大規模な震災・津波では、(1)安否や避難所名簿、(2)被害状況、(3)被災地の要望、(4)救援支援状況、(5)復旧状況、(6)避難所生活状況、といった情報を的確に把握する必要がある。
例えばGoogleは、3/17にCrisis Responseという災害情報のポータルサイトをいち早く立ち上げ、安否確認(パーソンファインダー)や避難所名簿共有サービス、被災地衛星写真や避難所、原発避難範囲のマップ、最新ニュース等の提供を開始した。
IT Media Newsによると、3/11午後の震災直後、六本木ヒルズのグーグル日本法人では支援方法の検討がスタートしていたという。ハイチ地震で開発されたパーソンファインダーのインターフェースを日本語化し、地震発生から2時間足らずで公開したというから驚きである。避難所名簿共有サービスは3/14日には完成しており、約5,000人の入力ボランティアの支援もあって、3/29日までに14万人分がアップされたという。
例えばパーソンファインダーに「後藤心平」と入力すると、3/13日に「こばやしさん」という方が後藤さんから電話を受けたということが表示される。また、必要であれば探している人の最新情報がアップされると、それをメールで受け取ることも出来る。
また、ソフトバンクグループも安否確認用の災害用伝言板をいち早く開設したり、ヤフーに復興支援のポータルサイトを立ち上げて、情報の収集と発信を行っている。先頃、入試カンニングで話題となった「ヤフー知恵袋」も震災関連質問を受け付けており、例えば「××近くで入浴可能な施設を教えて下さい」と言った質問が寄せられ、ユーザー同士の情報交換のインフラとして力を発揮している。

Googleやソフトバンクの取組みを見ていると、IT技術の進歩によってソーシャルなメディアが発達していることがよくわかる。95年の阪神淡路大震災のとき、私は地震発生1週間後に被災地に調査で入ったのだが、神戸に向かう車中で聞こえて来るラジオでは、アナウンサーが延々と避難所ごとの避難者の氏名を読み上げていたことを思い出す。

Googleやソフトバンクの震災ポータルサイトと、行政等が提供する震災関連情報とを比較すると、残念ながら行政等の震災関連サイトは情報が限定されており、かつタイムリーとは言い難いものも少なくない。
今回の震災で、情報の出し手がもはや行政や企業、マスコミなど一定の管理がされた組織からではなく、個々の市民に大きくシフトしていることが明らかになった。
このような使い勝手の良いソーシャルなインフラが充実すると、むしろ人々がこれをどう使いこなすかという点が重要になる。
アルビン・トフラーが80年に出版した著書「第三の波」の中で生産者であり消費者でもある「プロシューマー」という存在を提唱したが、今まさに、インターネットとIT技術とソーシャルメディアの進歩でプロシューマーが台頭し始めているのだ。

次回は、ツイッターなどのソーシャルメディアが既存メディアに与える影響について考察したい。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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