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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ITによる車の変化(その2) (産学連携マネジメント/高田 仁)

ITによる車の変化(その2) (産学連携マネジメント/高田 仁)

11/04/19

前回は、車載情報&コミュニケーション・プラットフォームによって、車を舞台にした新しいタイプのコミュニケーションやエンターテイメントの可能性について話した。また、フォードがハイテク家電産業と連携することでビジネスモデルや競争優位性を革新する可能性があることを話した。
今回は、EVとの組み合わせについて話したい。
例えば、EVで目的地に移動して駐車場に止めている間に充電したとすると、駐車料金以外に充電したぶんだけの電気の料金を支払わなければならない。そのとき、いちいちコインパーキングのように現金で支払うのは面倒なので、電子マネーかクレジットカードでさっと支払が出来るような仕組みが必要になる。仮にEVがレンタカーやカーシェアで一時的に使用しているものだとすると、「使用者情報」と「車体情報」と「充電スタンド情報」のそれぞれをリンクさせなければならない。そんなときに、前回紹介したフォードの「シンク」のような車載情報プラットフォームがあると、ユーザーは自分のスマートフォンと車両をリンクさせ、車両がさらに充電スタンドとリンクすることで、充電量の確認や料金支払いを瞬時に終えることも可能になる。
ショッピングセンターや観光スポットにいる間にEVを充電しようとしたとき、充電終了のお知らせがスマートフォンに自動送付されると、買い物や観光により効率的に時間を使えるようになる。
あるいは、自宅に太陽光発電装置を備えたホーム・エネルギー・マネジメント・システムでは、電力会社から購入した電力を使用するか、自宅で発電した電気を使用するかを選択出来るが、EVのバッテリーの状況を家の中でチェックし、一方で自宅の発電状況をみながら、最もエコなEVの充電方法を選択することができる。
さらに、広くスマートグリッド社会全体を見渡すと、EVは電力運用においても中心的な役割を果たすようになると言われている。例えばV2H(Vehicle to Home)やV2G(Vehicle to Grid)といった概念が提唱され、グリッド上に繋がった多数のEVの蓄電池を制御して電力網に活用することも構想されている。このグリッド上では、各EVからの電力受給やEVへの電力供給をバランスよく行うための制御が不可欠となる。その制御には、各EVの連結状態やバッテリーの充電状況をリアルタイムで把握するITシステムが欠かせない。
先日、日産のリーフとNTTドコモ、AT&Tは、GSMAモバイル世界会議で、2011年度「自動車・輸送部門ベストモバイルイノベーション賞」を受賞したというニュースがあった。日産リーフは、カーナビや緊急通信などのドライビングサポート機能のみならず、運転履歴やバッテリー状態管理、リモート充電、エアコンの遠隔操作などが可能となっている。また、オーナーの了解を得たうえで走行データを収集してカーナビゲーション・システムと連動させることで、エネルギー効率の良いナビゲーションを実現するといった点が評価されたようだ。
このように、車載情報&コミュニケーション・プラットフォームによってEVを「電脳化」することによって、自動車のみならず自宅やオフィスを含めた社会全体でエネルギー・マネジメントをより効率的かつ広範囲に実施することが可能になる。
近未来の社会では、人と自動車のインターフェースや自動車と社会全体の関わり方が、IT技術によって大きく変化するのだ。新しいIT技術を駆使して、世の中に革新をもたらすようなビジネスモデルの出現に期待したい。

分野: 高田仁准教授 |スピーカー:

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