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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > SN系広告主の出現 (マーケティング/出頭 則行)

SN系広告主の出現 (マーケティング/出頭 則行)

11/03/01

ソーシャルネットをテーマにした映画も流行っていますが、
今回は、ソーシャルネットワーキングサービス系の広告主の出現についてお話しします。

TVコマーシャルの常連といえば、花王、パナソニック、
トヨタなどの大手広告主で上位御三家といわれています。
ところが、2010年10月度単月の関東地域でのTVコマーシャル回数では、
日本のソーシャルネット系企業のGREEが約2800本で1位、
DeNAが約2000本で2位となりました。
4位のセブンイレブンや、6位のマクドナルドの600本から700本と比較すると、
3倍から4倍の出稿量があったことになります。

また、GREEの場合は一日90本、
DeNA(モバゲー)で70本のコマーシャルが、
2010年10月の関東地域では流れていたことになります。

通常、テレビの広告量は「GRP」という単位で測ります。
GRPとは「Gross Rating Point」の頭文字を取ったもので、
視聴率にコマーシャル回数を掛け合わせた数字です。
たとえば、GREEの2800本のコマーシャルが、
平均視聴率2%の時間帯に投下されたならば5600GRP、
DeNAでは2000本なので4000GRPということになります。

通常、広告業界では、新商品の場合、
1クール(3ヶ月)の広告キャンペーンの成功のためには、
70%~80%の認知率(アウェアネス)のj獲得が必要と言われています。
因みに、この認知率は再認率であって再生率ではありません。

つまり商品の名前を言うことができるというレベルではなく、
見たことがあるというレベルです。
認知のレベルで7割から8割いかないと、
商品がなかなか売れないという経験則があるため、
新規商品でも70%から80%のアウェアネスを目標とします。

70%の認知率を稼ぐには2000GRPが目安とされており、
大体3ヶ月でそれを達成しようということになります。
従って、関東地域10月度単月のみでのGREEの2800本や、
DeNAの2000本というのはもの凄い広告量です。

現在もなお低迷する広告界やTV業界にとって、
GREEやDeNAのようなソーシャルネットワーキング系の広告主の出現は、
消費者金融のような社会的批判もないため、
大歓迎で、干天の慈雨ではないかと思います。

しかし、手放しで喜んでいられるかというとそうでもありません。
ソーシャルネット系の商品の性格を考えると、
それはシャンプーやリンスとは異なるものです。
シャンプーやリンスは使い切ると買い替えの需要が起きるため、
広告を継続実施していくことになります。

ところが、ネット上で需要・供給が行われるものは、
明確な買い換え需要がありません。
モバゲーは一種の時間消費の商品です。
そういう意味では、アマゾンも設立当初は膨大な赤字を抱えながらも、
TVに積極的に広告費を投入し、登録者を増やしていきました。
しかし、現在では、大手広告主としては存在していません。

GREEとDeNAの2社も、今はTVを使って登録者を急激に増加させているわけですが
、登録者が維持可能なレベルまで増えていった段階で、
マスメディアでの広告の需要はなくなってしまいます。
ソーシャルネット系の広告主は、
決して花王やトヨタのような永続的な買い替え需要を狙って、
ブランドを打ち立てていくというような広告主にはならないのではないかと思われます。

たとえ、新しいゲームを開発したとしても、
その時にこの2社が既に相当数の登録者を抱えているならば、
マスメディアを使って登録者を新たに引き入れるモチベーションはそれ程高くはありません。
しかし、ソーシャルメディアへの呼び込みにマスメディアが有効であることは大変に示唆的と思います。

分野: 出頭則行教授 |スピーカー:

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