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QT PROモーニングビジネススクール > 過去の記事一覧 > ソーシャルビジネスとは (国際企業法務/岡田昌治)

ソーシャルビジネスとは (国際企業法務/岡田昌治)

11/03/28

前回は、ムハマド・ユヌスさんが来日したイベントの内容を
報告しました。去年7月、ユヌスさんは日本に10日間滞在しましたが、
一国に10日間滞在したのは、極めて異例で最長不倒記録です。
彼自身、いいツアーだったと非常に満足されていました。

ムハマド・ユヌスさんを知らない人のために、彼が唱えるソーシャル
ビジネスを改めて説明しましょう。

日本の中にもソーシャルビジネス、コミュニティビジネス、NPO・NGO、
昨今ではBOPビジネスなど色々な言葉が出ていますが、端的にいうと
ユヌスさんのソーシャルビジネスはそれらとは全然違うものです。
彼のソーシャルビジネスの原則は大きくいって3つしかありません。

第一に、ソーシャルビジネスを行う会社は、設立の目的が社会の
なんらかの問題を解決することにあり、利益の最大化の追求を目的
としないという意味で普通のビジネスとは違います。
第二に株主への配当及び投資家へのキャピタルゲインの支払いは
一切しないので、投資家や株主に戻ってくるものは、自分が投資した
投資額までです。通常であれば配当金あるいはキャピタルゲインの
金銭的なプラスアルファがありますが、そういうものなしで、何が
プラスアルファかというとその会社のミッションで、いくつかの問題が
解決されたか、何人を救えたかが、投資家にとってプラスアルファに
なるということです。第三の原則は、その会社が自立して持続すると
いうこと。ここがNPO・NGOと違うところです。
補助金あるいは委託事業は一切もらいません。

例えば企業がCSRに費やすお金は全部ギブアウェイ(giveaway)、
つまり戻ってこない金です。でも、ソーシャルビジネスに対する
投資家及び株主のお金は取り戻そうと思えば取り戻せます。ただし
普通のビジネスと同様、投資先のビジネスが成功しなければ当然戻って
きませんし、成功しても戻ってくるのは投資額までというのが
ソーシャルビジネスをやろうかという時に少し迷われる点だと思います。

ユヌス氏は、2006年にノーベル平和賞を受賞し、去年の10月には、
米国議会からゴールドメダルという、人類に何らかの貢献があった人に
贈られる賞を受賞しています。一昨年は、オバマ大統領から自由勲章
という賞も受賞しましたが、ノーベル賞、自由勲章とゴールドメダルを
受賞した人は歴史上7人しかいません。アウン・サン・スー・チー、
マザー・テレサ、マーティン・ルーサー・キング、ネルソン・マンデラ
など偉人といわれる人たちですが、ユヌスさんは彼らに匹敵する人
なのです。ところが日本では、まだそういう認識が足りません。
九州大学ではいち早くユヌス氏と様々なプロジェクトを展開して、
3つの原則に基づくソーシャルビジネスを日本で推進しようと
しています。非常に名誉であり幸運なことだと思います。

去年立ち上げた組織、グラミン・クリエイティブ・ラボ@九大の
物理的なハブになるグラミン・クリエイティブ・ハウスを、空港から
10分という、この素晴らしい箱崎キャンパスの中に作ります。
築80年のレンガ作りの研究棟を改装し、それが3月末に竣工します。
そこが3原則に基づくユヌス氏のソーシャルビジネスを考える人たち、
それに携りたい人たちの九州の基地になると思います。メインは
ワークショップをやるような部屋、ユヌス氏あるいはソーシャルビジネスに
関係する資料をおいたラウンジでは、ゆったりしていただくこともできますので、
皆さん、いつでもお立ち寄りください。

分野: 岡田昌治特任教授 |スピーカー:

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